2014 Fiscal Year Research-status Report
急性大動脈解離患者のキュアとケアの融合を基盤とする看護実践の構造
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25463424
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
村井 嘉子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (90300376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 幸枝 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (20419740)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 急性期看護 / 大動脈解離患者 / キュアとケア / 安静降圧療法 / ICU看護 / 看護実践の構造化 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、前年度に引き続き安静降圧療法を継続する急性大動脈解離患者に対してケアを提供する看護実践を参加観察を行い、そのケアを担う看護師に対して面接を行った。その看護実践の構造について明らかにした。対象は、女性9名、男性2名の合計10名であり、研究関与者である患者は、男性5名、女性2名の合計7名、年齢51から78歳、全ての患者がStanfordB型の急性大動脈解離であった。 Grounded Theory Approachを用いた質的帰納的に分析した結果、25サブカテゴリー、7カテゴリーが抽出された。カテゴリーは、【悪化を未然に回避する】【痛みとその変化の原因を鑑別する】【症状の緩和と改善を図る】【束縛された単調な状況に変化を与える】【自由に語る(話す)ことを保障する】【潜在する精神症状の変化を探る】【今ある意味を説明する】であり、これら7カテゴリーは、有機的な繋がりを持ち『急性大動脈解離患者の急変のハイリスクに備えながら、患者の日常性を再構築する』コアカテゴリーが導き出された。看護師は、患者の生命を守り急変に備えるCureの側面を担い、そのCureの過程で生じる問題をCareによって解決に導いていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究遂行の遅れをカバーし、データ収集が実施できた。加えて、データの分析を終え、結果を導き出すに至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に収集したデータを用いて二次分析を行い、安静降圧療法を受ける急性大動脈解離患者に対する看護師のアプローチの特性について明らかにする。これまでのおデータを用いて看護師の患者への接近の実態をもう一歩踏み込んで検討を加える。その過程において初年度からの研究協力者である臨床看護師(南堀直之)らを交え、ディスカッションを行う。また、急性大動脈解離患者のみならず、安静臥床を強いられる患者への看護を担う看護師の教育プログラム試案に向けた検討を加える。
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Causes of Carryover |
平成25年度より研究者が関与できないデータ収集施設の運営課題が生じたことより、データ収集が遅延した。それを補うために平成26年度は、研究関与者である急性大動脈解離患者の入院状況に合わせて積極的にデータ収集に専念したことより、専門的知識収集のための学会出席が困難であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、前年度の結果発表、および今後の研究推進のための情報収集と新たな知見を入手するための研究会に参加する予定であり、そのための費用とする。
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