2014 Fiscal Year Research-status Report
継続した笑い療法が、がん疾患を有する人の健康に与える影響とそのデータベースの蓄積
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25463431
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 愛子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (10285447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹 佳子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (70326445)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 笑いヨガ / がん / ナチュラルキラー細胞 / POMS |
Outline of Annual Research Achievements |
がんとともに地域で生活している30歳代から70歳代成人女性5名に、笑いヨガを実施し、健康状態や身体や精神状態への影響を確認した。笑いヨガの1回の実施時間を40分とし、月に2回全5回実施した。そのうち、6月から8月の第一土曜日の3回は、笑いヨガ実施前後に採血を行った。調査項目はおもにナチュラルキラー(以下NK)細胞活性(51Cr遊離法)、日本版POMS(Profile of Moob States)短縮版である。本研究は、山口県立大学生命倫理委員会の承認(26-15号)の下に実施した。採血実施日は身体的な問題が生じた際に迅速に対応できるように医師のオンコール体制を整えた。 (1)笑いヨガ実施前後のNK細胞活性の変化:笑いヨガ1回目を「採血1回目」、笑いヨガ3回目を「採血2回目」、笑いヨガ5回目を「採血3回目」と示す。NK細胞活性(E/T比10:1)において「採血1回目」の前後の平均値の変化は0.74低下したが、「採血2回目」の前後は1.6、「採血3回目」の前後は3.52上昇した。また、笑いヨガの継続的な効果を確認するために、「採血1回目」と「3回目」の笑いヨガ前の値を比較および、笑いヨガ後の比較をすると、両者とも平均値に有意差を認めなかった。 (2)POMSから見た気分の変化:結果は笑いヨガ1回目は介入前後において〈怒り-敵意〉が有意に減少したが、他の項目において有意差は認められなかった。2回目は全ての項目において有意差は認められなかった。3回目は〈不安‐緊張〉〈怒り-敵意〉が有意に減少したが、他の項目において有意差は認められなかった。4回目は全ての項目において有意差は認められなかった。5回目は〈不安‐緊張〉が有意に減少したが、他の項目において有意差は認められなかった(p<0.05)。継続して笑いヨガを実施することの効果は数値では明確にならなかったが、笑いヨガ期間中、対象者は体調を良好に保持できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目的は以下の2点である。 ①がんなどの病をもって地域で生活する人を対象に笑いヨガを月2回全5回実施し、その前後で採血を行いNK細胞活性を調査するとともに、疾患の状況を確認する。 ②終了時に5回のプログラムの感想を話し合い、笑いヨガの効果について検討する。 ①については、1年目に「笑いヨガの回数が1月に1回では少ない」という反省から、2年目は1月に2回の笑いヨガを実施することとなった。笑いの回数を多くしてNK細胞活性に努めたが、継続実施の効果は顕著にはならなかった。しかし、目的①と②の計画は概ね達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究実施計画は、これまでの検査データの結果をまとめ、笑い療法の臨床導入を検討することである。 2年間の笑い療法の結果を概観すると、笑いの効果が顕著に表れていないケースも見られる。そこで、ケースごとの効果を検証し、その結果から、臨床への導入が可能かどうかを検討したい。
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Research Products
(1 results)