2015 Fiscal Year Research-status Report
がん患者の苦痛症状緩和のための補完代替療法のエビデンスカードの開発と有効性の検討
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25463436
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Research Institution | Okinawa Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
神里 みどり 沖縄県立看護大学, その他の研究科, 教授 (80345909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 かおり (比嘉かおり) 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (10284663)
謝花 小百合 沖縄県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30647003)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 補完代替療法 / がん患者の看護 / 苦痛症状の緩和 / エビデンスカード |
Outline of Annual Research Achievements |
補完代替療法(Complementary Alternative Therapy:以下、CATとする)に関するエビデンスカードの開発を行い、プレ調査を行った。プレ調査は、①がん看護専攻の大学院生5人、②学部学生3人、③ヒーリングセミナー参加者19人に対して、CATのエビデンスカードの臨床現場での活用や意見交換を行い、データを質的帰納的に分析した。主なる結果は、下記であった。 ①CATエビデンスカードの活用に関する6のカテゴリーが抽出された。看護師は主に、【患者・家族への指導・説明】でエビデンスカードを活用し、がんの症状別による分類で活用しやすいとの評価であった。しかし、症状のみでなく、がんの疾患別や治療別、小児・在宅別など【患者の背景別カード分類による活用性の工夫】を提示することでより活用度が高まるとの意見であった。一方、これまで行ってきた看護の【エビデンスの意味づけ】が可能になり、自己の看護に安心感を抱き、根拠性のあるケアを実施したいと述べていた。また、ケアのエビデンスを知ることで患者の行動理解につながっていた。 ②【ケアへの活用】は、便秘など、腹部への圧のかけ方が具体的に記載されているため活用しやすいとの意見であった。しかし、具体的に示されていないケアもあり、ベットサイドで活用できるように具体的に【追加してほしい内容】があげられた。嘔気に対する指圧や倦怠感に対する運動療法は新たな知識で、患者に勧めることができ活用可能性を実感していた。 ③実際の活用時に生じる困難として、入院患者に対する運動や大部屋での芳香浴、ヨガ、小児領域での活用などがあげられた。患者・家族用は、看護職用と区別した方が良いとの意見であった。 結論として、呼吸困難、倦怠感、吐き気、疼痛、睡眠障害に対するエビデンスカードの活用は可能であったが、その他のケアでは具体的な提示方法の工夫が必要であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エビデンスカードの開発が遅れたため、プレ調査が前年度にできなかったため、今年度の実施になった。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度としてエビデンスカードの有効性と普及を目指して、患者・家族、看護職、学生などを対象にこれまで予定されている調査のすべてを行う予定である。
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Causes of Carryover |
エビデンスカードの開発やプレ調査の実施が遅れたため、正式なエビデンスカードの作成のための印刷代金やHP立ち上げが遅れている。最終年度にすべて実施する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は最終年度なのでエビデンスカードの正式版の印刷、公表、配布、ならびにそれに伴う調査のため、すべての予算を使用する。
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Research Products
(16 results)