2014 Fiscal Year Research-status Report
肝がん患者へのセルフマネジメント支援プログラムの開発と有効性の検証
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25463445
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
庄村 雅子 東海大学, 健康科学部, 准教授 (40287115)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肝疾患 / がん / セルフマネジメント支援 / 看護師主導による介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝がん患者のセルフマネジメント支援プログラムの開発と普及を目指し、2013年度に行った国内外の文献レビューで最も有用そうな、慢性C型肝炎患者に対するLorigら(1999)が開発したChronic Disease Self-Management Program(CDSMP)を基にしたRCT(Erickら,2013)の患者教育モジュールを参考にして、発がん前(HBVとHCVの発がんハイリスク患者)に対する介入案を試作した。2週間おき6回のセッションとし、各セッションで「課題の特定」、「実行可能なプラン立案」、および「評価」を毎回実施し、教育内容には「肝疾患と治療に関する情報提供」、「肝疾患特異な症状マネジメント(倦怠感、抑うつ、痛みなど)」、「検査や治療の順守」、「リラクゼーション(呼吸法、筋弛緩法、瞑想法)」、「適切な食事と運動習慣」、「情緒的な対処法」、「社会資源の活用」を含めた。実施方法は、海外の先行研究(Shawら,2013)で慢性疾患のマネジメントに高い成果を挙げている看護師主導による介入とし、外来や地域で生活する成人患者を対象とすることにした。なお、現在はプログラムの検討過程で、繰返し適切性について、肝専門医、栄養士、薬剤師、理学療法士らの専門職及び当事者の意見を募って洗練を図っているところである。並行して、プログラムの実施に使う、患者教育ツールを作成中で、このツールに関しても各専門家と当事者の意見をそれぞれ反映して改訂を重ねている途中にある。さらに、2015年度予定している、実行可能性研究を開始できるようにするために、調査フィールドとの調整を図っている。実施前にErickら(2013)の介入プログラムを可能であれば見学することも検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2014年度中に、肝がん患者用のセルフマネジメント支援プログラムの試作を終える計画であったが、研究に従事する時間確保が難しく、専門職や当事者の意見を研究内に反映することが予想以上に時間のかかる作業であったため、計画より遅れてしまった。特に、プログラムを実施する際に使用する、ツールの作成が進んでいないことはプログラムの実施に到達できない大きな研究の遅れと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は、肝がん患者用の看護師主導のセルフマネジメント支援プログラムの試作を、教育ツールを含めて完成させ、少なくともケーススタディ以上の実行可能性研究を行い、成果を国内外に公表する計画である。課題である、研究時間の確保と、プログラムの改訂および患者教育用ツールの作成に関わる作業を支援してくれる人件費などへの研究費の活用方法を検討し、研究の遅れを取り戻せるよう工夫したい。
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Causes of Carryover |
研究遂行、特に患者教育用のツール作成に使用予定であった資金を使えなかったことと、国外の調査や成果報告が実行できなかったことが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
患者教育用のツール作成にかかる人件費および印刷費と、国外の調査と成果報告に次年度使用額を適用予定である。
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