2014 Fiscal Year Research-status Report
慢性閉塞性肺疾患患者のセルフマネジメント教育プログラムの構築
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25463446
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
若林 律子 東海大学, 健康科学部, 准教授 (20609359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 智子 福井大学, 医学部, 教授 (60303369)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / セルフマネジメント / 患者教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、慢性閉塞性肺疾患患者のためのセルフマネジメント教育プログラムLiving Well with COPD (LWWCOPD)日本語版の作成し、日本におけるセルフマネジメント教育プログラムの構築を目的としている。本年度は、臨床呼吸器科医師、慢性呼吸器疾患看護認定看護師、看護師、理学療法士らとともにLWWCOPD日本語版の内容の見直し作業を行った。また、臨床での使用に向け、修正点などを明らかにするために、現在のセルフマネジメント教育に関するアンケート調査を慢性呼吸器疾患看護認定看護師131名に行った。99名(75.6%)から解答を得た。平均年齢は37.7±5.9歳、平均呼吸器科勤務年数は8.4±4.7年であった。セルフマネジメント教育を行っている群は40名であり、行っていない群は59名であった。行っていない理由としては、時間がない45.8%、連携する医師や他職種がいない30.5%が主な理由であった。セルフマネジメント教育を行っている群では、セルフマネジメント教育の1回あたりの時間は平均0.6±0.3時間であり、教育回数は平均3.4±2.9回、教育期間は4.9±5.5ヶ月であった。セルフマネジメント教育を行っている群、いない群とも「患者への教育時間の確保」が難しい状況であった。また、行っている教育に満足している看護師は10%であった。十分な教育が提供できない理由としては、「患者教育を行うスタッフ水準が統一されていない」、「スタッフのマニュアルがない」などがあげられた。このような調査結果より患者用のプログラムだけでなく、スタッフ用のプログラムの必要性が示唆され、LWWCOPDを用いるスタッフ用のリファレンスガイドの作成が喫緊の課題となった。そのため、臨床呼吸器科医師、慢性呼吸器疾患看護認定看護師、看護師、理学療法士らとともにリファレンスガイド作成のための研修会を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
慢性閉塞性肺疾患患者へのセルフマネジメント教育について慢性呼吸器疾患看護認定看護師にアンケート調査を行ったところ実際にセルフマネジメント教育を行っているのは40.4%であった。十分なセルフマネジメント教育が提供できない理由としては、「患者教育を行うスタッフ水準が統一されていない」、「スタッフのマニュアルがない」などがあげられた。このアンケート調調査結果より患者用のプログラムだけでなく、スタッフ用のプログラムの必要性が示唆され、Living Well with COPD(LWWCOPD)日本語版を用いるスタッフ用のリファレンスガイドの作成が喫緊の課題となった。そのため、本年度は、LWWCOPD日本語版の患者用テキスト作成後、フォーカスグループにおける臨床研究を予定していたが、セルフマネジメント教育を行うスタッフの教育の質を一定にするためにスタッフ用のリファレンスガイドの作成を先に行うこととした。リファレンスガイドの作成は、臨床呼吸器科医師、慢性呼吸器疾患看護認定看護師、看護師、理学療法士らとともに行い、リファレンスガイド作成のための研修会を行った。リファレンスガイドの作成を先に行い、スタッフのセルフマネジメント教育を一定にできる体制を整えた後、フォーカスグループへの臨床研究を行うことへと変更したため、当初の予定より遅れてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、慢性呼吸器疾患認定看護師へ行った慢性閉塞性肺疾患患者へのセルフマネジメント教育に関するアンケート調査結果より課題となったスタッフ用のリファレンスガイドの作成を引き続き行う。Living Well with COPD(LWWCOPD)日本語版の患者用テキストとスタッフ用リファレンスガイドを組み合わせたセルフマネジメント教育プログラムを構築する。リファレンスガイドの作成には臨床呼吸器科医師、慢性呼吸器疾患看護認定看護師、看護師、理学療法士らと協働で行い、研修会を行いながらセルフマネジメント教育の質を一定にできるように進めていく。 患者用テキスト、リファレンスガイド作成後、数箇所の施設にてフォーカスグループの患者を対象にLWWCOPD日本語版(患者用テキスト、スタッフ用リファレンスガイド)を用いたセルフマネジメント教育の臨床研究を行う。 また、LWWCOPD日本語版とオリジナル版の整合性を検討するため、完成後の日本語版を英語へ翻訳し、カナダの医師、看護師らとともに整合性の検討を行う。
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Causes of Carryover |
本年度行った慢性呼吸器疾患看護認定看護師へ行った慢性閉塞性肺疾患患者のセルフマネジメント教育に関するアンケート調査の結果より患者用のプログラムだけでなく、スタッフ用のプログラムの必要性が示唆され、Living Well With COPD(LWWCOPD)を用いるスタッフ用のリファレンスガイドの作成が喫緊の課題となった。そのため、フォーカスグループにおける臨床研修を計画していたが、臨床呼吸器科医師、慢性呼吸器疾患看護認定看護師、看護師、理学療法士らとともにリファレンスガイド作成へ変更したことによって予算額と使用額とに差が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度では、、臨床呼吸器科医師、慢性呼吸器疾患看護認定看護師、看護師、理学療法士らとともにリファレンスガイド作成、研修会を行うため、会議の諸経費、参加者への旅費として使用予定である。また、フォーカスグループへの臨床研究を行うための諸経費として使用予定である。Living Well With COPD(LWWCOPD)日本語版作成後は、カナダの医師、看護師らとともに日本語版とオリジナル版の整合性を検討するため、カナダの渡航旅費に残額を使用予定である。
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