2014 Fiscal Year Research-status Report
自発性低下の看護介入プログラムに関する研究―ゲームを活用した介入の効果―
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25463457
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Research Institution | St. Mary's College |
Principal Investigator |
小浜 さつき 聖マリア学院大学, 看護学部, 助教 (20580731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 艶子 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (50199006)
西口 宏美 東海大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40212120)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自発性低下 / 看護介入 / ゲーム / 高次脳機能障害 / リハビリテーション看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
前頭葉損傷に伴う自発性の低下は、自ら行動を開始する能力の低下(布谷と椿原、1994)と定義され、効果的な介入方法の確立が期待されている。先行研究においては、患者の動因を高める刺激の投入が検討されているが、介入プログラムを検証した研究は少ない。そこで、本研究の目的は、自発性低下を呈する患者に対し、動因を高めることに有効であるとされるゲームを介入に用いることの効果を検証することである。 平成26年度においては、平成25年度に実施した、我が国における自発性低下の介入研究の文献レビューを実施し、学会誌へ論文を投稿した。現在、査読のプロセスの段階である。344件の会議録を含む自発性低下の患者に対する介入文献レビューの結果、看護師により記載された論文数が極めて少数であることが示された。また、効果的な介入に共通する視点として、患者が病前より価値を置く活動を介入に活用することで、自発性を賦活させる試みが報告されていたことが明らかになった。 また、平成26年度は、平成25年度の調整を元に、回復期リハビリテーション病院入院中の自発性低下を呈する患者1名に対して、ゲームを用いた看護介入を実施した。介入前後の自発性低下の評価結果において、標準意欲評価法(日本高次脳機能障害学会、2006)を用いた評価結果の得点向上を認め、介入効果が認められた。しかし、本事例の介入結果から、患者の症状にあわせたゲーム内容の選択が重要であることや、介入の結果向上した自発性が、患者のセルフケア活動に反映されるかどうかが課題となった。本結果は平成27年度に学会発表を行う予定であり、現在演題登録中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度は、介入群10名、コントロール群10名のデータを収集する予定としていた。しかし、調査依頼施設に入院中の患者のうち、自発性低下を呈する患者が極めて少数であり、対象の選定に時間を要した。また、ゲームが実施できる対象者が限られており、平成26年度は1名の患者のみ介入が可能であった。また1事例の介入と評価に約一ヶ月の期間を要するため、データ収集に時間を要した。そのため、「遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.研究対象者数について:調査依頼施設に入院中の患者の内、自発性低下を呈する患者が極めて少数であることから、予定していた対象患者数を満たすことが困難であると予測される。そのため、研究期間内の対象者数を介入群5名、コントロール群5名と変更する。平成27年度は、平成26年度から継続して調査依頼施設の研究協力者の協力を得て、介入群5名、コントロール群5名の患者を目標に、データ収集を行う。可能な限り多数の患者を選定できるよう、調査依頼施設の研究協力者と連携を図る。 2.データ分析について:既に介入を実施した患者のビデオ記録については、平成27年度に介入期間中の患者の自発性の変化(介入中の患者の発言内容、表情の変化)を視点として分析を実施する。 3.平成27年度に得られた結果については、次年度論文発表、国際学会での発表を実施する。研究分担者のスーパーバイズを得て、分析、成果発表を実施する。
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