2014 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム障害をもつ子どもと家族への看護実践力向上を目指した基礎的研究
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25463468
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
坪見 利香 浜松医科大学, 医学部, 助教 (40452180)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 発達障害児 / 外来受診 / 具体的対応 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)子どもが受診する外来に勤務する看護師の発達障害に関する研修ニーズを明らかにすることを目的に質問紙調査を実施した。結果、子どもが理解しやすい説明の方法、子どもにしてはいけないことの伝え方、診察や処置での子どもへの言葉がけの内容の順で希望が高かった。特に、子どもが診療を受けるうえで困っている時の具体的な関わりに方について学びたいというニーズが強いことが明らかになった。 (2)発達障害児の保護者が外来受診をする際の困難の内容を明らかにし、看護支援の示唆を得ることを目的に質問紙調査を実施した。その結果、保護者は幼児期の子どもの受診に苦慮していることが明らかになった。特に耳鼻咽喉科や眼科など診察にライトや器具を使用する診療科では通常の子どもと同等の診療が受けられないなどの困難を抱えていることが明らかになった。保護者が外来看護師に求める支援として①待合室での過ごし方、②苦痛を伴う処置への対応、③子どもが理解しやすい説明、④効果的な診察方法の工夫が示された。 以上のことから外来看護師を対象とした研修プログラムの構成要素が明らかになったプログラムの構成要素として、「診察前の待合室での子どもへの対応」、「採血や点滴など苦痛を伴う処置への対応」、「子どもが理解しやすい説明の方法」、効果的な診察方法の工夫として「子どもにしてはいけないこと」などが示された。さらに、子どもの特性を理解するための情報源として保護者はキーパーソンになりうる。保護者は医療者への障害に関する説明の仕方にとまどいを感じている。これらの点に配慮した保護者への説明の技術を伝える研修が必要になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査研究(1)と(2)より外来における看護実践に必要な研修プログラムの構成要素が明らかになっている。すでにプログラム案を作成し開催日時を決定している。次年度以降数回研修会を実施し、参加者への質問紙調査を行うことでプログラムの評価と修正を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研修会を開催するうえで、会場使用料や運営をサポートのための人件費が必要である。 研修会の評価を行う上で質問紙データ入力を委託するための人件費が必要である。また、研究成果を国際学会にて発表するために英文校閲費用が必要である。 平成27年度は研究の最終年度にあたるため、プログラムのさらなる完成を目指すために研修会実施を通じて課題を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
調査結果の回収が遅れ、研修会の計画がやや遅れたことによって会場使用料や人件費を支払うことができなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度4月に3か所にて研修会を開催する予定である。
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