2013 Fiscal Year Research-status Report
産後うつ病を発症した母親の家族の体験と子育て支援モデルの構築
Project/Area Number |
25463470
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 弘江 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80251073)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看護学 / 産後メンタルヘルス / 母親 / 家族 / 子育て / 多職種連携 |
Research Abstract |
研究1【産後うつ病を発症した母親の家族の体験を明らかにする】 面接調査を3名実施し、質的内容分析を行い、3名の事例検討として、第10回日本周産期メンタルヘルス研究会学術集会(2013.11.9,於:日本赤十字看護大学)にて個人情報を保護した形でポスター発表を行った。また、同研究会の第9回会報に発表要旨の掲載を予定している。今後の面接調査の方向性と分析に関して連携研究者等と研究打ち合わせを数回行い、示唆を得ることができた。本年度の面接実施状況から、リクルート方法、面接内容の再考を行い、今年度の調査に生かしていくこととする。 研究2【産後うつ病を発症した母親の家族の体験とケア・ニーズから、子育て期の家族へのメンタルヘルスに着目した支援モデルを構築する】 産科施設を中心に産後うつ病を代表とする周産期メンタルヘルスに関する家族への支援の現状と課題を明確にすることを目的として立ち上げた「子育て家族の心を支える研究会」を6月、9月、12月、2月の4回開催し、述べ68名(助産師、保健師、臨床心理士、小児科看護師、研究者)が参加した。研究会では、周産期メンタルヘルスに関して課題を抱えた事例に関しての症例検討と、メンタルヘルスに関する講義と検討会を行った。、多職種間の意見交換を行うことで、メンタルヘルスに支障をきたした家族へのケアについての取り組みの現状と、連携の難しさなど課題が明らかになるとともに、家族のケアニーズについて関連する多職種の間で意見交換ができた。 また、研究に関連した学会、連絡会等に参加し、関連する最新の知見等の情報収集および意見交換を行った。このほか、研究に関して最新の文献の検索を行い、文献検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1に関して、研究協力者である産後うつ病を発症した母親のパートナーのリクルートが現在のNPOからの紹介では予定の協力者を依頼できず、面接調査はやや遅れている。しかしながら、本年度3事例の事例報告を行ったことで示唆を得ることができた。今後はリクルート方法を再考し、進めていくこととする。 研究2に関しては、研究会の運営が軌道に乗り、参加者も増えつつあり、意見交換を行うことができている。今年度の開催計画もたっており、研究1のデータをふまえて、支援モデルの作成に向けた意見交換及び実現性の検討を行っていく用意ができている。 文献レビュー等は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1に関して、H26年度も引き続き面接調査を行うこととする。研究協力者のリクルート方法に関しては、これまでのNPOからの紹介だけでなく、協力機関を増やしていく予定である。研究協力者に関して、H25年度の事例報告結果より、産後うつ病という診断の確からしさについて、医学的診断の裏付けがないことが課題としてあげられた。しかしながら本研究目的が産後うつ病に特化したというよりも産後メンタルヘルスに支障をきたした母親への支援を目的としていることから、リクルート方法自体の大きな変更はしない予定である。面接調査内容について、連携協力者との意見交換から示唆を得、今後は産後うつ病を発症した母親の家族の体験の、特に母親と家族の関係性に着目し、面接を深めていくこととする。得られたデータは、個人情報保護の観点からもグラウンデッドセオリーアプローチを用いた分析を行っていくこととする。 研究2に関して、H26年度も引き続き研究会を定期的に開催していくとともに、支援モデルの構築に向けて、介入方法について参加者と検討を行っていくこととする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究1に関して、研究協力者への面接調査が予定数より下回っており、面接調査のための旅費および分析に関わる費用に残金が生じている。 研究1に関して、面接調査を引き続き行っていく。 研究2に関連し、H26年度開催される関連国際学会に参加し、情報収集と意見交換を行う予定である。
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Research Products
(1 results)