2015 Fiscal Year Research-status Report
地域における更年期女性のセルフケアの向上を目指した学習プログラムの開発
Project/Area Number |
25463471
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
池田 智子 鳥取大学, 医学部, 講師 (50444633)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 更年期女性 / 更年期症状 / セルフケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、更年期女性のセルフケア及びQOLの向上を目指した学習プログラムの開発である。 平成25年度は地域における更年期女性を対象に更年期症状の改善、予防が期待される内容の健康教室を開催し、更年期症状が改善した人は13.2%、悪化した人23.7%、変化なし63.2%であった。更年期症状の変化に関連する要因として症状悪化群は教室参加時に比べ、生活習慣の運動意識、食事バランス、嗜好品、睡眠規則性、睡眠充足、休息の改善又は変化が見られず、健康度が有意に低下した。 平成26年度は更年期女性のセルフケアの構成概念を検討するため、更年期女性の健康に関する文献レビューを行った。更年期評価指標及び更年期症状の関連因子を整理した。 平成27年度は更年期女性のセルフケアについてRodgersのアプローチを用い、概念分析を行った。データ収集は、検索ツールは「医学中央雑誌web」「CINAHL」「Medline」で、1983~2015年で調べ、重複する文献を処理した。更年期女性、更年期症状における「自己管理」「self care」「selfcare agency」「self management」のキーワードに該当した論文で採用論文は和文9件、欧文34件であった。採用論文を対象に主に先行要件、属性、帰結に関する記述についてデータ収集し、質的に内容を分析した。分析により更年期女性のセルフケアの概念は4つの先行要件、4つの属性、2つの帰結が抽出された。更年期女性のセルフケアの定義は更年期に関する情報収集と活用により、更年期をうまく乗り越えるための意思決定を行うことである。そして更年期症状や治療に伴う心身の状態の変化に対処し、安全に配慮した更年期症状の苦痛を軽減するための保健行動の実行から構成される」と定義づけられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、更年期女性のセルフケア及びQOLの向上を目指した学習プログラムの開発を目的として、①更年期女性のセルフケアの獲得過程とセルフケアの構成概念の解明、②セルフケアの測定用具の開発、③セルフケア及びQOLを向上させる学習プログラムの介入及び効果の検証を行う。 現在までの達成状況は、更年期女性のセルフケアの構成概念を明らかにし、構成概念間の関係を検討し、構成概念についてそれぞれの定義を明確にする段階まで進んでいる。今後、各構成概念を測定する尺度の原案の作成を目指す。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方針は、更年期女性の構成概念をもとにセルフケア及びQOLを向上させる学習プログラムの介入及び効果の検証を行う予定である。 更年期女性のセルフケアの概念を論証するため、学習プログラムに参加予定の女性を対象に今までの生活の様子やセルフケアの状況などのインタビュー協力を依頼し、モデルケースを作成する。
|
Causes of Carryover |
更年期女性のセルフケアの構成概念を明らかにし、概念の論証を行うため、更年期女性への今までの生活状況やセルフケアに対する態度、考えなどのインタビュー協力の謝金として確保していたが、対象者の選出や調査のタイミングが遅れたためである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の計画とあわせて行う予定である。
|