2015 Fiscal Year Annual Research Report
小児1型糖尿病患者へのメンタリングを用いた教育・看護介入プログラムの応用的研究
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25463475
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
薬師神 裕子 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10335903)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小児糖尿病 / メンタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、開発したe-メンタリングを用いた糖尿病教育プログラムを発症初期の小児1型糖尿病患者に適用し、その効果を明らかにした。対象は、糖尿病発症後2年以内の10 歳から16歳の1型糖尿病患者(メンティー)7 名と、小児期に1型糖尿病を発症した20歳~22歳の患者(メンター)4名であり、メンター1名にメンティー2名のペアとした。専用ホームページ上で、日常生活に起こった自己管理行動の課題や悩みをメンターとともに振り返り、課題に対する具体的な解決方法をアドバイスする支援を1年間行った。 平均年齢はメンティー12.6±2.2歳、メンター20.8±0.5歳であった。平均罹病期間はメンティー1.2±0.8年で、メンター14.0±0.8年であった。メンティーの平均HbA1cは、介入前6.74±0.96%、3か月後6.94±1.18%、12か月後7.78±0.90%と、介入後に有意な低下は認めなかった。メンティーの糖尿病セルフケア行動尺度得点の変化は、介入前55.0±3.2点、3か月後54.8±4.0点、12か月後51.8±5.5点と、有意な得点の変化はみられなかった。糖尿病自己効力感尺度得点の変化は、介入前54.8±9.0点、3か月後53.8±9.7点、12か月後55.0±7.8点と、介入前後でいずれも有意な変化は認めなかった。メンターとの関係を示すメンタリング尺度で、比較的高い得点を示した項目は、「アドバイスされた新しいことをやってみようと思う」「すぐに仲良くなれた」「先輩との相性がよい」「助けがあるので学校でうまくやっていける」「問題がおこらないように助けてくれる」などであり、メンティーがメンターからのアドバイスを受けて糖尿病の自己管理で新たな方法にチャレンジするなど、自信をもって日々の血糖コントロールに臨めるようになったことが示唆された。
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Remarks |
小児糖尿病教育支援システムは、①糖尿病自己管理に活用できる小児1型糖尿病の知識や小児糖尿病サマーキャンプの情報に関するコンテンツと、②メンティーとメンターが双方向で自己管理行動に関する相談や情報交換などを行うメンタリングに関連したコンテンツの2つから構成される。メンタリングは、個人の専用ページから糖尿病自己管理行動に関する疑問や悩みなどをメンターに送信し、メンターがコメントを送る機能とした。
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