2015 Fiscal Year Research-status Report
アクションリサーチを用いたNICUからの継続的育児支援プログラムの実践と評価
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25463491
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
廣瀬 幸美 横浜市立大学, 医学部, 教授 (60175916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 真弓 関東学院大学, 看護学部, 教授 (40294558)
佐藤 朝美 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (50384889)
杉村 篤士 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20708606)
永吉 美智枝 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (30730113) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アクションリサーチ / NICU / 継続的育児支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、平成26年度に開始したアクションリサーチを展開した。 本研究の目的は、NICUからの継続的な育児支援を実施するため、アクションリサーチを用いたNICUおよび関連部署における看護実践とそのプロセスについて検討することである。平成25年度にはNICUと関連部署の現場で生じている課題について、各部署からの情報を得て、平成26年には研究グループ(研究者と共同研究者)として、研究計画書を実践現場とすり合わせたものに修正し、平成27年3月より、NICU・ICU・小児病棟の3部署ごとにアクションを展開した。 (1)研究参加者は、①アクションリサーチ協力者(研究推進者)と②リサーチグループメンバーから成るが、①平成27年7月に研究推進者の部署移動でメンバーが一部入れ替わり、また10月には小児病棟でのアクションリサーチの継続が困難となり、11月以降はNICUとICUの2部署での実施となった。②リサーチグループメンバーとして、NICUに勤務する看護師20名、ICUで勤務する看護師12名より研究の同意が得られた。 (2)グループ活動:平成26年度の検討により修正された、NICUからの転棟・退院に伴う継続的育児支援プログラムをメンバー間で共有するために、各部署の研究推進者がそれぞれの部署において、座談会や病棟カンファレンスを実施した。同時に、事例検討や継続的な育児支援に関する看護師の考えを自由記述やインタビューより取集した。平成27年3月より、研究者と各部署の研究推進者によるアクションリサーチ会議を定期的に実施し、平成28年2月までに10回開催した。 (3)データ収集および分析方法:各部署の研究推進者がグループ活動の参加観察、インタビュー・カンファレンス等の意見交換について逐語禄を作成した。研究推進者と研究者全員で、その逐語禄から継続的育児支援に関するデータを抽出・分析し、結果をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、NICUからの継続的な育児支援を実施するため、アクションリサーチを用いたNICUおよび関連部署における看護実践とそのプロセスについて検討することである。平成25年度にはフィールドである本学附属病院NICUと関連部署の現場で生じている課題について、各部署からの情報を得、平成26年には研究グループ(研究者と共同研究者)として、研究計画書を実践現場とすり合わせたものに修正し、本学の研究倫理審査会にかけ承認を得た。その後、平成27年3月より、NICU・ICU・小児病棟の3部署ごとにアクションを展開した。 (1)研究参加者は、平成27年7月に研究推進者の部署移動で一部メンバーが入れ替わり、また10月には小児病棟でのアクションリサーチの継続が困難となり、11月以降はNICUとICUの2部署での実施となったが、予定通り研究は実施した。リサーチグループメンバーとして同意を得られたのは、NICU・ICUに勤務する看護師20名・12名の計32名。 (2)グループ活動: NICUからの転棟・退院に伴う継続的育児支援プログラムをメンバー間で共有するために、各部署の研究推進者がそれぞれの部署において、座談会や病棟カンファレンスを実施。同時に、事例検討や継続的な育児支援に関する看護師の考えを自由記述やインタビューより取集。平成27年3月より、研究者と各部署の研究推進者によるアクションリサーチ会議を定期的に実施し、平成28年2月までに10回開催した。 (3)データ収集および分析方法:各部署の研究推進者がグループ活動の参加観察、インタビュー・カンファレンス等の意見交換について逐語禄を作成。研究推進者と研究者全員で、その逐語禄から継続的育児支援に関するデータを抽出・分析し、結果をまとめた。
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Strategy for Future Research Activity |
アクションリサーチは実践と研究を統合する参加型の質的研究であり、研究者と実践者それぞれが現場の問題にかかわり可能な解決を考え取り組むことによって、従来は認識されていないことを発見する可能性があり、新しい点から問題を明らかにすることもある。さらに、医療者自身が自らの業務を検討する場合に適しており、研究者と実践者がパートナーシップに基づき協力して作業することを通して、現場の問題の解決を目指すと共に、実践者のケアのしかたが変わりエンパワーメントされるという点から、本研究ではアクションリサーチを用いた。平成26年度より、本学の研究倫理審査会からの承認も得て、アクションリサーチを開始、平成27年度は関連部署ごとにアクションを展開し、研究者と各部署の研究推進者によるアクションリサーチ会議を定期的に実施し、計画、実施、リフレクションというアクションリサーチの流れをたどり、フィードバックを行った。これらの実施したアクションリサーチの結果をまとめたので、学会発表する予定である。
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Causes of Carryover |
平成25年度の予算においては、先駆的施設の視察やフィールドワークの費用として予定していたが、学会出張の際に、施設の視察や担当者との意見交換などを行うことができたため、予算額を下回った。平成26年度、平成27年度ともに、ほぼ当初の計画通りに進展しており、予算もほぼ予定額で使用した。従って、平成25年度の繰り越し分がそのまま次年度繰越となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の未使用分については、平成28年度は最終年度であり、まとめた研究結果を学会発表の予定のため、主にその費用とする。アクションリサーチの共同研究者による発表の費用としても用いる。また、昨年度に引続き、研究グループとの話合い・会議費用、研究参加者も含めたグループワークの資料、文献・図書費、およびデータ収集・分析のための費用としても活用する。
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Research Products
(2 results)