2013 Fiscal Year Research-status Report
助産師教育における母乳育児支援に関する実践能力教育プログラムの開発
Project/Area Number |
25463494
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
緒方 京 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (80457936)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 母乳育児支援 / 乳房ケア / 助産師教育 / 実践能力 / 教育プログラム |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、母乳育児支援に関する助産師の実践能力のうち、新卒助産師が入職時に求められる能力を養うための、助産師養成課程での教育における母乳育児支援教育プログラムを開発することである。 平成25年度は、先行研究として、助産師教育における母乳育児支援教育の現状把握を目的に、全国の助産師養成課程195課程のうち、東日本大震災の被災県3県8課程を除く187課程の代表者もしくは母乳育児支援に関する教育の詳細がわかる教員各1名で、研究協力に同意の得られた人を対象に、質問紙調査を行った。調査は、本学研究倫理審査委員会の承認を得た。質問内容は、対象機関の属性、母乳育児支援教育に関する実習場所、能力の到達度、教育上の困難さや課題と感じていることとし、「助産師教育のミニマム・リクワイアメンツ」や既存文献を参考に独自の質問項目を作成した。分析はSPSSを用いて、統計学的に行った。 その結果、90課程の教員(回収率48.1%)から回答を得た。課程の内訳は、専修学校29、短大専攻科3、学部選択コース40、大学専攻科・別科10、大学院7、他であった。助産師教育経験は平均8.8±6.9年で、教員1人当たりの学生数は平均3.8±2.0人であった。BFH認定施設が実習場所である課程は過半数に満たなかった。母乳育児支援能力66項目では、母親が適切に行えていることや努力を認めたり、相手が話しやすい雰囲気をつくる等基本的コミュニケーション技術及び母乳分泌・吸綴メカニズムの説明や乳房観察技術は比較的修得度が高かった。その一方で、乳房トラブル事例や直接授乳困難事例への対処の実際など、特別な配慮を要する支援は修得度が低かった。教育上の困難さ16項目では、模型・モデルによる演習での再現の限界や多様な乳房管理方式の教育程度など、時間数より内容についての困難感が強かった。現在、更なる関連性の分析を推進している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国187の助産師養成課程を対象に質問紙調査を行った結果、助産師教育における母乳育児支援教育の現状が明らかとなった。本調査の結果は、従来の計画どおり平成26年度に関連学術学会で公表の予定である。 今後、平成26年度に計画している第2段階の研究<新卒助産師に求められる母乳育児支援能力の明確化>において使用する質問紙作成に、この結果を活用することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に実施した【第1段階】助産師教育における母乳育児支援教育の現状の明確化に基づき、平成26年度は【第2段階】の調査実施する。 第2段階の調査では、新卒助産師が入職する時点で求められる母乳育児支援能力を明らかにすることを目的に、量的調査研究(無記名質問紙調査)を行う。対象は、新卒助産師の入職を受け入れている全国の病産院の産科が入っている病棟の助産師とし、主な質問内容は、例年の標準的な新卒助産師の入職当初の能力、入職当初(助産師教育修了時)に獲得されていることが期待される能力、卒後教育で育成すべき(育成すればよいと考える)能力とし、その内容は第1段階での結果を考慮し、第1段階で使用した尺度に準じて独自に作成する。分析はSPSSを用いて、統計学的に行う。 平成27年度以降は、それらの結果を基に、【第3段階】ではCUDBAS技法を用いて助産師教育における母乳育児支援教育プログラムを作成し、【第4段階】では作成した教育プログラムの実施と評価を行い、有用性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度の調査準備段階で、調査の信頼性を高めるための対象選定方法を再検討した結果、対象数が約1.5倍に増加した。それに伴って、質問紙の準備、及び発送・回収に計画額以上の諸費用が必要であることが判明したため、研究に必要な母乳育児関連・教育デザイン関連に関する書籍のうち、改訂版、および新刊本の発刊予定が判明したものは、購入を次年度に延期した。 従来の計画で予定していた、研究推進に必要な書籍の最新版の購入に使用する。
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