2015 Fiscal Year Research-status Report
助産師教育における母乳育児支援に関する実践能力教育プログラムの開発
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25463494
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
緒方 京 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (80457936)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 母乳育児支援教育 / 助産師教育 / 教育プログラム / 新卒助産師 / 継続教育 / CUDBAS法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、平成26年度末に新卒助産師の教育を担当する指導助産師を対象に実施した新卒助産師の入職時に求められる母乳育児支援能力と継続教育状況に関する調査結果について、量的・質的分析により明らかにし、2学会で発表した。 調査対象は全国231病院の新卒者指導助産師1076名で、2015年2~4月に質問紙調査を実施し、個別郵送により回収した。回収した517部のうち、量的データ503部、自由記述のあった199部を分析した。その結果、新卒助産師の入職時に母乳育児支援の自立が最も求められていたのは、【母子主体のコミュニケーション能力】で、以下【母乳育児に関する基礎的知識の説明力】、【母乳育児支援能力を向上させる自己研鑽力】、【分娩直後からの母乳育児ケア展開力】の順であり、これらの能力は、所属病棟の新卒助産師の入職受入数が平均人数より少ない群、およびBFH認定施設ではない母乳推進施設群でより高い自立度が求められていた。継続教育においては、新卒助産師の消極性や関心不足、指導助産師のスキルや支援方針の差、新卒と一緒にケアする時間や機会の不足、不明確な新卒教育プログラムなどが困難さとして表出され、これらの困難さも、新卒入職受入数や母乳推進状況が関連していた。助産師養成課程での教育に対しては、母乳育児支援教育の重視化や全養成機関で統一された最低レベルの基礎的知識・技術の保障、実習での実践機会の充実化、養成課程と卒後の教育の連続性等が求められていることが明らかとなった。この結果は調査協力施設に文書で報告した。 以上のことから、現代の臨床現場に求められる前述の母乳育児支援能力を、助産師養成課程でどのように養成し、継続教育につなげるかを具現化する必要がある。そこで、研究者らはこれらの調査結果に基づき、CUDBAS法による教育目標と内容を明確化した。現在、その学習手段と指導方法について検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は、平成26年度に実施した調査の分析結果の公表と、その成果に基づいて構成する助産師養成課程における母乳育児支援教育プログラムの一部実施を計画した。 調査結果を学会発表し、他の研究動向なども考慮しながら、CUDBAS法により教育目標と内容、およびその教育プロセスを検討した結果、教育方法について更なる検討が必要であり、平成27年度中の学生に対するプログラム実践は時期尚早と判断した。そこで、平成27年度実施予定の計画の一部を平成28年度に実施することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に調査した助産師養成課程修了時に獲得される母乳育児支援能力と、今回明らかとなった新卒助産師入職時の同能力の合致・乖離部分を明確にし、現行の母乳育児支援教育の課題を本教育プログラムに反映させる。また、教育プログラムの個々の学習目標の到達が学生自身に認識できる評価プログラムのブラッシュアップを図り、今年度の教育プログラム展開を目指す。
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Causes of Carryover |
概ね計画通りに執行したが、本教育プログラムの実施に用いる予定としていた実技教育モデルの購入については、プログラム内容の検討中のため、当該年度の購入は見送ることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実技教育モデルの購入については、教育プログラム推進状況に応じて本年度の購入を計画している。
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Research Products
(2 results)