2017 Fiscal Year Research-status Report
The Construction and utilization of the pediatric nursing care model including the psychological preparation by nurses
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25463503
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
松森 直美 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (20336845)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小児看護 / 小児看護ケアモデル / 倫理的看護実践 / 教育的介入プログラム / プレパレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2000年から小児看護の場における倫理的な看護実践を促進するため「ケアモデル」の研究に取り組み、これを基にした介入プログラムの実施と検証を重ねてきた。2012年に実施した小児看護に携わる看護師への教育的介入プログラムの成果をもとに、小児看護の経験5年以内の他科経験者や診療所に勤務する看護師を含む看護師32名を対象として約1時間半の初回介入と2回目と3回目は郵送で行う新たな介入プログラムを考案した。対象者に対し、延べ13回実施し、22名の看護師を分析対象とすることができた。その結果、小児看護ケアモデルの実施に関する認識は、介入直後に実行容易性が認知され、2カ月後には「子どもに挨拶・自己紹介する」、「子どもに説明する」、「声かけをする」等の基本的な倫理的看護実践が改善し、子ども・家族の主体的な行動への変化がみられた。 以上より、本研究により看護師が行うプレパレーションを含む小児看護ケアモデルの活用として、小児看護の実践経験の浅い看護師の日常的な倫理的看護実践を強化する教育的介入プログラムを構築することができた。今後は、本研究成果を活かし、多様な小児看護の場における倫理的看護実践強化プログラムの構築を目指したい。 海外調査については、看護実践の概要について聞き取り調査をすることができたが、ドイツ語版と英語版の調査用紙を作成し、共同研究者に送付した結果を待っている状況である。今後は再度コンタクトをとり、ドイツまたはオーストラリアやアメリカなど共同研究者を再度検討し、海外調査の可否について検討していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外(ドイツ)における日常的な倫理的看護実践の調査を行う予定であったが、国内の調査のみにとどまっている。国内の調査による成果は順調に得ることができたが、海外調査の成果と小児看護の経験5年以上の看護師を対象とした場合や他科経験の有無による成果の違い、病院や診療所において行う介入プログラムの成果を明らかにすることなどが今後の課題として残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
私たちが2000年から研究を積み重ねて開発した「小児看護ケアモデル」は、子どもと家族への基本的な倫理的看護実践を24項目の簡潔な表現にまとめたものである。このモデルを活用し独自に考案した介入プログラムを2012年から実施し効果を検証した結果、小児看護経験の浅い看護師や他科経験のある看護師への効果が明らかとなった。そこで、増加し続けている混合病棟や地域の診療所等の多様な場で小児看護を実践している看護師に本介入プログラムを実施し、倫理的看護実践の改善効果を明らかにする。さらに、新人看護師や混合病棟等の小児看護初心者に対する小児看護特有の体系化された研修プログラムはないため、小児看護に特化した臨床研修としての実行性の検証と応用を目指し、多様化している小児看護の場における看護職の倫理的看護実践を強化するための現任教育・継続教育プログラムの1つとして提案したいと考える。
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Causes of Carryover |
学科長職による教務の多忙のため海外調査および海外雑誌への投稿ができなかった。 次年度は、海外調査の可否を模索するのと同時に海外雑誌への投稿費用に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)