2014 Fiscal Year Research-status Report
出産女性を支援する助産師の共感疲労の実態とメンタルヘルスへの影響
Project/Area Number |
25463508
|
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
伊藤 道子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 准教授 (50341681)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 共感疲労 / 助産師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、出産女性を支援する助産師の共感疲労の実態を把握することである。平成26年度は質問紙の構成、および助産師の共感疲労体験を記述するための研究の問いを検討するために、予備調査としてフォーカス・グループインタビューを実施した。 グループインタビューへは、研究課題に関心をもち音声データとして録音することを承諾した3施設7名の看護職が参加した。助産師として就業している看護職6名のうち、3名は看護管理者であった。インタビューでは、最初に「出産によって傷ついた人を実際に助けたり、助けようとした結果、助産師がストレス反応を示していると認識した出来事を目撃したり、相談されたり、あるいは自分自身が体験されたことがありますか。」「それは、どのような出来事でしたか。何がそこで起こっていましたか。」「その事態に対して、どのような行動をとりましたか。」「体験した自分自身はどのような気持ち・感情でしたか。」「このような出来事を助産師が体験することに関してどのような意見をもっていますか。」と尋ねた後、参加者に自由に語ってもらうように奨めた。3名の助産師が、外傷性出産を目撃し携わった体験を語った。その出来事は、分娩第1期の遷延分娩、骨盤位破水後の臍帯脱出による死産、早産後の新生児死亡であり、2名の助産師は外傷体験して間もなく、自分の行為に対して強い後悔の感情を表していた。看護管理者からは、急変した新生児への対応に対する後悔から離職した助産師に関わった体験、助産師と医師の協働ができていないことにより緊急を要する対処ができきなかった体験の語りがあった。これらは、Beck,LoGiudice & Gable(2015)の研究結果の一部と合致している可能性が示唆された。外傷体験して間もない助産師2名へは、自らが体験を深く語りたい気持ちになるまで待っていることを伝えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備調査への参加の募集開始が遅れたため、フォーカス・グループインタビューの実施時期も遅くなり、予備調査の分析に基づく質問紙の構成を詳細に分析できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
質問紙の構成を早急に検討し、施設内倫理委員会での承認を得て本調査を実施する。
|
Causes of Carryover |
質問紙調査が実施できなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
分娩取扱い施設の看護部長に調査協力を依頼し、同意を得られた施設の看護職へ質問紙調査を実施する。同時に、出産ケアでの外傷体験を認識する助産師に対して研究への参加を募集し、インタビューを実施する。印刷費、郵送代、参加者への謝金に使用する。
|
Research Products
(1 results)