2015 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患を持つ小児のレジリエンスを促進するための介入プログラムの開発
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25463510
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Research Institution | Aomori Chuo Gakuin University |
Principal Investigator |
齋藤 美紀子 青森中央学院大学, 看護学部, 准教授 (40312508)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 慢性疾患患児 / レジリエンス / 支援プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は慢性疾患患児のレジリエンスを高めるための支援プログラムを検討した。子どものレジリエンスを促進するプログラムに関する国内外の先行研究の分析を行うとともに、慢性疾患患児に対するレジリエンス支援の国内外の報告を精査し、疾患を持つ小児に対するレジリエンス支援プログラムにおける介入モデルの枠組みを明確化した。子どものレジリエンスの基盤となる要因として、1.安全と所属意識、2.自分の価値と能力に対する自尊感情、3.正しい自己認識に基づく自己効力感、が重要であり、これらの要因に働きかけることが介入のポイントになると考えられた。加えて、本人、家族、コミュニティのそれぞれのレベルで、レジリエンスを形成するリスク要因と保護要因の相互作用に働きかけることがもう一つのポイントになると考えられた。 また、これまでに入院中の患児に対して実施した療養環境への適応を促進する介入プログラムでの事例のデータについて、レジリエンスの保護要因の側面から再分析を行い、介入モデルとの整合性を検討した。その結果、慢性疾患を持つ子どもでは、継続して行われる受診・治療・処置やその後の健康管理に対する理解が自己認識と深く関連しており、教育的支援もレジリエンスを促進する要因のひとつであることが考えられた。これらの結果を合わせて、健康問題を持ちつつも成長発達過程において安定した適応性を保つことを支援するためのプログラムを考案し、慢性腎疾患、小児がん経験者の小・中学生を対象にパイロット調査の実施に取りかかっている。
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