2013 Fiscal Year Research-status Report
月経異常の理解とセルフケアを促進する青年期女子教育プログラムの開発
Project/Area Number |
25463522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
森 明子 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (60255958)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 青年期 / ウィメンズヘルス / リプロダクティブヘルス / 月経異常 / 健康教育 |
Research Abstract |
本研究は、ライフプランを意識していく年代である青年期の女性に対し、リプロダクティブ・ヘルスの維持増進、疾患の予防・早期発見のためのセルフケア能力を育てる教育プログラムを構築することを目的としている。近年、晩婚・晩産が進行し、女性が長期に渡り、回数多く月経を経験するようになり、今後、子宮内膜症や子宮内膜がん、卵巣がんのリスクが高まると予想されているため、月経に関する新たな視点での教育を若い女性に提供することはリプロダクティブ・ヘルスにおける意義がある。 そこで、今年度は、文献検討ならびに関連する国際学会への参加を通じて最新研究動向を把握した。また、青年期の中でも高等学校女子の保健に関わっている養護教諭7名を対象にヒアリング(インタビュー)を行った。女子高校生の月経や月経に関する教育について、どのような認識を持っているか、養護教諭のとらえる生徒の月経とケアニーズ、養護教諭の専門家(医療者)に対するニーズを明らかにした。また、どのような取り組みを行っているかも明らかにした。 養護教諭7名の勤務校は、共学校3校、女子校3校の計6校であった。規模は生徒数約500~1000人であった。養護教諭の経験年数は22±9.6年であった。 養護教諭は高校生女子の月経に関し、月経随伴症状、月経周期異常、月経困難症、月経と関連する器質性疾患、生徒自身の月経に対する意識と対処(セルフケア)をとらえていた。生徒自身の月経に対する関心の無さ、対処の未熟さ、生徒間で月経の話をしないということを指摘する声も聞かれた。 また、養護教諭は個々の生徒に対する対応、生徒集団に対する保健・教育活動、学校や教員との協働、生徒と医療機関をつなぐ支援を行っていた。その中で、養護教諭や生徒が月経について学ぶ情報の少なさや情報源の得にくさ、医療機関との連携の困難さが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
教育プログラムの構造化が遅れている。まだ情報収集・集約過程にあり、分析し必要な内容、方略を決定して構造化するまでに至っていないため。海外での青年期女子に対するリプロダクティブ・ヘルス教育に関する情報と国内の産婦人科医師・看護師からの情報が不足している。
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Strategy for Future Research Activity |
8月末までに海外での青年期女子に対するリプロダクティブ・ヘルス教育に関する情報と国内の産婦人科医師・看護師からの情報収集を済ませる。今年度下半期に教育プログラムを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
関連する他の研究の分担金で出張費をまかなえたこと、専門家(医療者)へのヒアリングを行っていないことで謝金を使用していないこと、による。 英国でのウィメンズヘルス・カンファレンスに参加し、青年期女子の月経を含むセクシャル&リプロダクティブ・ヘルス教育に関する情報収集を行うための旅費とする。専門家(医療者)へのヒアリングを行うための交通費、謝金とする。
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