2013 Fiscal Year Research-status Report
看護系大学におけるコアカリキュラムに応じた小児看護学教育の実習コアモデルの開発
Project/Area Number |
25463530
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
川名 るり 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (70265726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江本 リナ 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (80279728)
筒井 真優美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50236915)
橋本 美穂 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (80613934)
太田 智子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (80711093)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護系大学 / 小児看護学実習 / 文献検討 |
Research Abstract |
平成25年度は、小児医療と看護系大学における小児看護学実習の現状と課題について文献検討を行った。また、その結果をもとに、小児看護学実習に関する調査のための基本的な指針について検討した。 1.文献検討 カリキュラム改正(指定規則第3次改正, 1996年)後、10年間経った2007年から2013年までの文献検討を行った。文献の内容分析および前回調査との比較をした結果、大別して、次の3点が明らかになった。1)研究の動向について:授業・演習に関する研究論文数の割合が前回の調査と比べて約3倍に増加していた。その理由として、今日の小児看護学実習の現状では、事前準備としての授業や演習の重要性が一層高まっているからではないかと考えられた。中でも、子どもの理解や倫理に関連する内容が増えており、このことは、近年国家試験出題基準に子どもの権利が加わったこと、実習での技術経験が減っていることが関係しているのではないかと考察された。2)実習の具体的な展開について:多くの大学では小児病棟のみならず、外来、クリニック、救急センター、障害児施設、保育所、NICUなど様々なフィールドを複数組み合わせて実習を展開していたことが明らかとなった。しかし、実習の具体的な展開方法や学生へのかかわりについて記述された研究論文は極めて少なく、特に、子どもと家族への接し方やケアに関わる実習フィールドでの具体的な指導内容については明らかにすることができなかった。3)実習指導の評価について:学びの評価研究は少なかった。また、学生の実習記録に記載がないことを学びがなかったと評価する研究論文もあった。 2.小児看護学実習に関する調査のための基本的な指針 今後、小児看護学実習の実態調査を行うにあたっては、病棟以外の実習フィールドでの具体的な実習展開方法、学生への具体的なかかわり、教育評価について更なる検討が必要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画していた内容は概ね順調に進展しているが、予定していた文献検討の結果を踏また実態調査の計画書作成は、次年度へ持ち越すこととした。 この理由は、文献検討の結果、新たな課題が明らかになったからである。 本研究は小児看護学実習の新たなモデルを開発することを目指している。これは、実習の現状が明らかになっていることが前提となる。しかし、文献検討の結果では、具体的な実習の展開などについて不明瞭なところが多く、具体的な実習のありようを理解するところから掘り下げて調査することの必要性が浮かび上がった。そのため、実態調査に向けて課題をさらに精選している段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、看護系大学における小児看護学実習に関する調査及び分析、実習評価を行う。小児看護学を担当している教員と実習施設のスタッフを対象に調査を実施する予定である。調査内容については、当初の計画で行くと、我々が平成10年度に実施した質問紙を参考にする予定であるが、前年度より引き続いた課題を検討した結果次第では、その内容に更なる検討を加えて修正版を使用していくことも想定している。具体的には、以下の過程で進めていく。 1)文献検討の結果を踏まえ、実態調査に向けた課題について討議し、精選する 2)小児看護学実習の実態調査を行うための計画書を作成し、所属機関・関連機関の研究倫理審査委員会にかける 3)実態調査を実施する
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