2014 Fiscal Year Research-status Report
食物アレルギーを持つ学童の適応的な学校生活にむけた協働モデルの構築
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25463531
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
山田 知子 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (80351154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 みどり 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30257604)
杉浦 太一 岐阜大学, 医学部, 教授 (20273203)
石井 真 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (70338002)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 学校生活 / 学童 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的・方法】食物アレルギーをもつ子どもが1)学校生活の中で食物除去に関連してどのような悩みを抱え、それをどのように解決しているのか、2)アナフィラキシーの体験をどのように捉えているのかを目的としたインタビュー調査を行った。インタビュー内容は質的帰納的に分析し、類型化を行った。 【結果・考察】食物アレルギーでなんらかの制限がある学童とその保護者9名の参加が得られた。(1)9名中5名が食物除去による悩みがあったとし、【クラスメートからののからかい、意地悪】【クラスメートから理解されるか不安】【クラスメートと同じことができない】【誤食への不安】のカテゴリーが抽出された。(2)これらの悩みをどのように解決しているかについては、【親に気持ちを吐露する】【からかいをやり過ごす】【原材料を事前に確認する】【給食に最新の注意を払う】【給食時の疎外感をなくす工夫をする】のカテゴリーが抽出された。(3)アナフィラキシーの体験については【症状に対する違和感と苦痛】【死への恐れ】【安心したい】【万が一の時は自分でエピペンを打つ覚 悟をする】【エピペンを打つのは勇気がいる】【学校の先生を信頼して助けを求める】のカテゴリーが抽出された。本結果より、多くの学童が学校生活での悩みはないと答えていたが、日々、給食に対して細心の注意を払っていることで安心した学校生活が送れていると考えられた。安心した学校生活への支援として、細心の注意を払いつつも、クラスメートからの疎外感が生じないような具体的な対応方法を示すことが必要である。エピネフリンの自己注射は、命を守るものであっても、子どもにとっては覚悟や勇気が必要なものであった。子どもが信頼をおく大人(学校の先生)が子どもを見守り、適切な対処をすることが子どもの安心につながると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は前半で面接調査の実施と分析、後半で面接調査の結果を踏まえた介入方法と評価方法の検討を計画していたが、後半の計画が遅れている状況である。介入にあたってアレルギーや教育に関する専門的知識が必要と考え、小児アレルギーエデュケータの認定資格取得にエフォートをおいたことも理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、推進にむけて、前半に介入と評価方法(二次調査)を決定すること、介入(学童を対象としたアレルギー教室の開催を後半で予定)にあたっての実施協力者の確保をする必要があり、共同研究者と定期的な打合せをしていく必要がある。
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Causes of Carryover |
平成26年度に予定していた面接調査後の介入・評価方法(二次調査)が遅れ、謝金等に未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度後半に計画をするアレルギー教室の開催にあたり、会場費、講師謝金等に充てる予定である。また、豪州の小児専門病院と小児科クリニック等の訪問し、アレルギー疾患を持つ子どもへの支援の実際を情報収集を計画しており、旅費に充てる予定である
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Research Products
(1 results)