2014 Fiscal Year Research-status Report
先天性心疾患児のレジリエンスを強化する親へのアプローチプログラム開発と有効性検証
Project/Area Number |
25463533
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Research Institution | Senri Kinran University |
Principal Investigator |
仁尾 かおり 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (50392410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 盛樹 千里金蘭大学, 看護学部, 助教 (10642374)
石河 真紀 朝日大学, 保健医療学部, 講師 (40410782)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 先天性心疾患 / レジリエンス / 病気の理解 / 親 / 自立支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性心疾患をもつ子どもが成人期に至る際、親からの自立困難が問題となり、社会的自立をも阻む一つの要因となっている。本研究では、「レジリエンス」という人の内面の強さを示す心理的特性を理論的基盤とし、継続的に生じる問題をかかえながら成人期へ移行していく先天性心疾患児の「レジリエンス」強化に関わる重要な要素である親へのアプローチプログラムを開発する。そして、幼児期から思春期の子どもをもつ親へ、プログラムを用いて継続的に試験的介入することで、その有効性を検証し、実践に適用できるプログラムの開発を目的とする。 平成26年度は、平成25年度に実施した面接調査で明らかになった内容、および、家族支援に関する文献検討結果を参考に、私達の先行研究成果である“病気体験に関連したレジリエンスアセスメントツール”の内容に基づき、『先天性心疾患児のレジリエンス強化に向けた親へのアプローチプログラム(試案)』を作成した。 プログラムの内容は、先天性心疾患児が「自分の病気を理解する」、「前向きに考え行動する」ようになるために、親としてできることを考える勉強会形式のプログラムで、2回のプログラムを実施する。1回のプログラムは、講義とグループワークで構成し、グループワークは、5から10名程度のグループに研究者がファシリテーターとして入り、討議を進めている。 対象者は、全国心臓病の子どもを守る会の4支部に所属する幼児期から青年期の父母とし、平成26年度中に、1支部では2回目のプログラムが終了した。他3支部は1回目のプログラムが終了している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、先天性心疾患児のレジリエンス強化に向けた親へのアプローチプログラムの作成、および、プログラムの実践を計画していた。平成26年7月よりプログラムの実践を開始し、平成27年7月までの1年間で2回のプログラムを終了する見込みであり、計画どおりに進んでいる。しかし、学会発表については平成26年度中に行う予定だったものが平成27年度になり、論文も未投稿のため、やや遅れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、先天性心疾患児のレジリエンス強化に向けた親へのアプローチプログラムの実践を継続する。全国心臓病の子どもを守る会の3支部に対して、7月頃までに2回目のプログラムを終了する予定である。その後、プログラムの介入効果の検証として、全国心臓病の子どもを守る会4支部に所属する親および子どもを対象に、質問紙調査、面接調査を予定している。 学会発表については、平成27年度は現時点ですでに3題採択されている。第1段階の面接調査、第2段階のプログラム作成については、論文投稿を進めていく。
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Causes of Carryover |
平成26年度内の学会発表、論文投稿が当初計画に達しなかった。学会発表については、発表予定が平成27年度に繰り越してしまったため、学会発表のための旅費に残額が生じた。論文投稿に必要な経費も予定額に達しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の学会発表は、すでに3題が採択されており、今後も数題の演題を応募する予定である。論文投稿も予定しているため、学会発表の旅費、および、論文投稿にかかる経費として使用する。
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