2015 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠中からの初産婦とパートナーに向けた乳幼児揺さぶられ症候群予防プログラムの作成
Project/Area Number |
25463538
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
岡本 美和子 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (70435262)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乳幼児揺さぶられ症候群 / 乳児 / 泣き / 初産婦 / パートナー / 両親学級 / 介入研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、妊娠中からの初産婦とそのパートナーに向けた乳児期の子どもの泣きへの理解と対応を含めた乳幼児揺さぶられ症候群(SBS:Shaken Baby Syndrome)予防プログラムを作成し、その効果を検証することである。 予防プログラム実施において、使用するDVD及び小冊子を作成した。DVDの視聴時間は約10分、小冊子は全10ページである。両ツールの構成内容は①SBSとは何か、②SBSの起こる養育者の社会的背景、③SBSの予防方法と養育者自身のケア、④泣くことの意味と成長に伴う泣きの特徴とパターン、⑤泣きへの具体的な対処方法、⑥養育者のための社会資源の紹介と活用についてである。 平成27年度は、乳幼児揺さぶられ症候群予防プログラムを実践しその介入効果を検証した。先に対照群が通常の両親学級を受講、その後介入群では予防プログラムDVDと小冊子を学級に導入すると共に、出産後2~3週頃に介入群の自宅に同様のDVD等を郵送した。また出産後2か月過ぎに、予防プログラムの効果を測るための質問紙を両群の自宅宛てに郵送、記載後返送してもらった。 結果、研究対象者数は対象群で初産婦62名、パートナー59名、介入群は初産婦55名、パートナー48名であった。両群の初産婦及びパートナーの特性に有意差はみられなかった。初産婦、パートナーにおける両群比較では、乳児の泣きとSBSに関する知識や泣きへの対応の工夫に有意な差が見られた。また初産婦の情緒的動揺では、泣きに直面した際の苛立ち感は対照群と比較し介入群が低値であった。また、有意差は認められなかったが、パートナーでは泣かれた際に自分を落ち着かせるため安全を確かめてその場を離れた行為が対照群に比べ高値で、知識面のみならず介入による行動変容にも効果が認められた。
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Research Products
(3 results)