2014 Fiscal Year Research-status Report
若手訪問看護師の仕事満足-継続サポートプログラムの構築
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25463550
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
仁科 祐子 鳥取大学, 医学部, 講師 (70362879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 弘子 千葉大学, 看護学研究科, 特任教授 (10265770)
谷垣 靜子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (80263143)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 訪問看護師 / 若手訪問看護師 / 仕事満足度 / 自律性 / 判断 / 役割 / 仕事継続意思 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、訪問看護師の支援に関する国内文献レビュー、訪問看護師の専門職的自律性の概念分析、先行研究のまとめを行い、本研究課題に関する知見を深めた。 1. 支援の文献レビュー:医学中央雑誌を用い「訪問看護師」「支援」(原著,2000以降)で検索した結果、488件が抽出された。タイトルに含まれる支援やそれに関連する概念は支援が最も多く使用されていたが、その他にも「ケア」「実践」「援助」「連携」「役割」などがあり、様々な用語が使用されていることが分かった。 2. 訪問看護師の専門職的自律性の概念分析:訪問看護師の自律性の再定義を目的として、2000年以降に発表された日本語論文30件を選択、Rodgersの概念分析の手法を用いた。属性として〈利用者の心身・生活・経過を総合的に判断〉〈タイムリーな対応〉〈より良い生活のための創造的ケア〉〈深い関係性の中でのケア〉〈意思決定プロセス支援とプライドの擁護〉〈家族の特徴把握と家族全体の安定支援〉〈チームケアにおける看護師の立ち位置判断〉が抽出された。 3. 先行研究のまとめ:2007年に訪問看護師を対象として実施した調査結果をまとめ学術雑誌に投稿した。訪問看護師の職場継続意志の関連要因は仕事満足度、職場内対人葛藤、訪問件数、社会的スキルであった。よって管理者は、訪問看護師の仕事満足度を高めること、社会的スキルを高める機会を設けること、職場内の対人関係や訪問件数を調整することが、職場継続を支援するために重要であることが示唆された。 4. 文献レビューを踏まえて研究会議を行った。訪問看護師の仕事満足度は重要な概念であることが明らかとなった。仕事満足度に関連する専門性、自律性、コミットメント、職業性アイデンティティなどの概念に着目して、これらについての若手訪問看護師や看護学生の現状と関連性を明らかにし、若手の支援方略につなげたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
われわれの先行研究のまとめより日本の訪問看護師にとっても「仕事満足度」は仕事継続のために重要な概念であることが明らかとなった。今後、若手訪問看護師の仕事満足度を高める方略を検討するためには、仕事満足度の関連要因でこれまで明らかになっているいくつかの要因のうち、どれに焦点化することが、若手訪問看護師に適切であるのか、更なる文献検討を積み重ねる必要がある。文献検討を丁寧に行うことにより、より適切な調査の実施が可能となる。よってほぼ順調に進展している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 若手訪問看護師の仕事満足度を高めるためのコアとなる要因(概念)を検討するために、平成27年度も引き続き訪問看護師の仕事満足度、支援(or実践 orケアor 判断)、自律性に関する文献検討を実施する。 2. 若手訪問看護師に面接調査を実施する。面接調査の目的は、文献検討で明らかにするコアとなる要因(概念)が、実際に若手訪問看護師の仕事満足度を高める方略としてマッチしているかどうか、新たな要因はないか、について明らかにすることである。 3. 文献検討と面接調査より、若手訪問看護師の仕事満足度を高めるためのコアとなる要因について、質問紙調査の質問項目を作成する。
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Causes of Carryover |
平成26年度に実施予定であった調査を実施しなかったために生じた。調査を実施しなかった理由は、文献検討をより丁寧に行うために時間を要したからである。調査を実施するためには、調査依頼に必要な旅費、調査作成に必要な印刷費、調査実施時の郵送費等が含まれ、それらを使用しなかったために生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査実施を平成27年度に持ち越したたため、繰り越した金額を、面接調査、質問紙調査の実施費用にあてる予定である。
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Research Products
(2 results)