2013 Fiscal Year Research-status Report
生理的・心理学的指標を用いたうつ病への集団認知行動療法における有効性の検討
Project/Area Number |
25463556
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
白石 裕子 宮崎大学, 医学部, 教授 (50321253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
直野 慶子 (長友 慶子) 宮崎大学, 医学部, 講師 (00381070)
石田 康 宮崎大学, 医学部, 教授 (20212897)
田上 博喜 宮崎大学, 医学部, 助教 (00729246)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / うつ病 / NIRS |
Research Abstract |
2012年10月~2013年1月に、M大学医学部附属病院精神科外来、または入院中の患者の中で、主治医からの説明で同意が得られた、気分障害と診断された50代女性、30代女性、30代男性の3名を対象に、全6回のセッションを構造化したプログラムを作成し実施した。 プログラム開始前後にSF-36v2、BDI-II、QIDS-J、自尊心尺度(SE)、近赤外線スペクトロスコピィ(以下NIRS)を実施した。NIRSは安静1分、鏡映追跡課題1分、安静1分の計3分間実施した。セッション毎にBDI-II、QIDS-Jを実施した。NIRSについては課題遂行時の右前頭葉・左前頭葉の酸素化ヘモグロビン(oxy-Hb)の変化が示す波形の積分値、波形の重心値、課題開始5秒間の波形の上昇率(初期賦活)の3つのパラメータの値について検討し、今回は積分値についてCBT前後で対応のあるt検定で有意差を求めた。その他質問紙に関してはセッション前後の得点を比較した。 全被験者がCBT実施前後の比較で、BDI-II、QIDS-J、SF-36v2、SEの全質問紙において得点の改善がみられた。NIRSの積分値のCBT実施前後の比較では、1名を除き、右前頭葉・左前頭葉の積分値が有意に増加し、課題遂行時の前頭葉活動の活性化が見られた。 うつ病患者は一般に健常者と比較し、課題中の積分値が小さいことが明らかになっており、集団CBTを実施したことにより、より健常な脳活動を示すようになったことが示唆された。心理的側面においては、有意に改善したものはSF-36v2のみであったが、BDI-II、QIDS-J、SEも有意ではないが改善がみられたことから、集団CBT実施によって自覚的な健康度も回復することが示唆された。今回は対象者が3名と少なく、結果を一般化することは困難であり、今後例数を増やすことで、集団CBTの効果をさらに検証していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
M大学附属病院で、2クールのセッションを実施し、3名から研究データを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
M大学附属病院だけでは、対象者の例数を総定数まで設定することが困難なため、今後、協力体制の取れる附属病院以外の精神科病院での実施を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定より、物品費用について、他の研究者との共同購入により当初予定より使用額が少なくなったため。 物品費用の大きな項目であったNIRSと分析ツールは購入できたが、ソフトを使用するためのPCが必要となったため、その購入費用に充当する予定である。
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Research Products
(2 results)