2014 Fiscal Year Research-status Report
高齢者虐待における共依存関係に焦点をあてた看護ケアプログラムの有効性の検証
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25463563
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
難波 貴代 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (00453960)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者虐待 / 共依存関係 / 主介護者 / 被介護高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本では子供が老親を世話するのが当然であるという風習が残っている。日本では、高齢者虐待について多くの研究がなされている。多くの研究は、主介護者の介護負担によって高齢者虐待が起こっているとされ、共依存に焦点をあてた研究は報告されていない。主介護者は薬物中毒者やアルコール中毒者でもない。そこで本研究は、共依存関係にある主介護者と被介護高齢者の特徴と、ケア内容を明らかにすることを目的とする。 調査対象者および機関は、全国問看護事業協会に登録している訪問看護ステーション600か所を無作為抽出し、調査対象者は199名となった。さらに未回答29名、事務所閉鎖5名、業務多忙6名、該当者なし13名を除外し、分析対象者は175名とした。 被介護高齢者の年齢は80歳以上から90歳未満が37.3%と最も多く、次いで70歳以上から80歳未満が28.9%であった。共依存人数は5人以下が84.6%であった。主介護者の年齢は、50歳未満が33.1%と最も多かった。家族構成は、配偶者が71(44.4%)、次いで息子が49(30.6%)であった。主介護者の55.6%が介護にこだわりをもっていた。特に被介護高齢者に呼ばれたら心身の疲労を顧みずに過剰な介護に没頭していたに35.3%が回答していた。共依存点数が20点以上の主介護者は、高齢者虐待点数が40点以上であった。共依存点数が20点以上の主介護者は、20点未満の主介護者より被介護高齢者を思い通りにすることができるという考えがある。共依存点数が20点未満の主介護者は20点以上の主介護者より、被介護高齢者を大切な存在であるということを認識していた。 共依存関係にある主介護者と被介護高齢者間では献身的に介護をしているが、介護内容は被介護高齢者にあっておらず、主介護者の不適切な介護がエスカレートし虐待行為につながっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
質問紙票調査の実施時期に後れを生じてしまったが、その後の分析などについては、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度になっているため、研究協力機関に今回の調査結果を説明し、再度、有意な差がでた項目について、事例から確認をしてもらい、さらなる調査を行っていく方向である。
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Causes of Carryover |
最終年度は、質問紙票調査の結果をうけて、研究協力機関に再度調査を依頼するため、翌年分と合わせて使用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
質問紙票調査の結果をもとに 研究協力機関に対して、共依存関係にある主介護者および被介護高齢者に対してチェックをし、どのように看護支援すればよいのか看護ケアプログラムの有効性につなげるのか検討するために、研究協力機関に再度調査を依頼するため、翌年分と合わせて使用する。
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Research Products
(3 results)