2015 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者虐待における共依存関係に焦点をあてた看護ケアプログラムの有効性の検証
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25463563
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
難波 貴代 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (00453960)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者虐待 / 共依存関係 / 主介護者 / 被介護高齢者 / 訪問看護支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者虐待における主介護者と被介護高齢者間の共依存関係に焦点をあてた看護ケアプログラムの有効性を検証することを最終目的とし、平成26年度に検討された看護ケアプログラムを個別介入することで、有効な看護ケアプログラムの完成を目指した。調査対象者は、研究協力者である7機関の訪問看護ステーションに勤務する訪問看護師であり、平均経験年数も10.5年と訪問看護に関しても豊富な経験を有した5名とした。共存点数が20点以上の主介護者は、高齢者虐待も40点以上であることに有意な差が認められた(P=24.498a,P>0.00)。主介護者は共依存点数には関係なく、50%以上が時々興奮していた(P=5.199 a,P>0.1 )。主介護者が興奮した時は、訪問看護師として傾聴するにとどまることが多かった。訪問看護師は、共依存点数が20点以上の主介護者は、20点未満の主介護者より、被介護高齢者を思い通りにすることができるという考えのもと支援を行っていたとことに有意な差があった(P=6.459 a,P>0.05 )。共依存点数が20点未満の主介護者の方が20点以上の主介護者より、訪問看護師は両価的感情を持っていると認識していた(P=8.263 a,P>0.05) 。介護にこだわりがなく、あるいは不明な場合は、介護にこだわりをもっている主介護者より、第三者を大いに頼りにしていた(P=6.794a,P>0.05) 。看護ケアプログラムでは、共依存や高齢者虐待点数の確認、初回訪問時の主介護者への違和感、主介護者の介護に対する過剰な義務感がモニタリングの対象となり、訪問看護支援としては、主介護者の介護を否定しないよう傾聴にとどまり、提案型に終始する。また訪問看護支援によって閉鎖的な二者関係を崩すことがプログラムでは重要な項目であった。
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