2013 Fiscal Year Research-status Report
介護施設における看取りケア教育手法の開発およびケアの質評価に向けたプロトコル作成
Project/Area Number |
25463566
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
原沢 優子 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (70303774)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看取り / エンド・オブ・ライフケア / 教育 / 高齢者ケア |
Research Abstract |
本年度は、本研究の初年度にあたり、あたらためて高齢者のエンド・オブ・ライフケアに関する最新の情報の収集および看取りケア教育の実践的トレーニングに重点を置いた活動を行った。 具体的には、American Association of Colleges of Nursingが行ったエンド・オブ・ライフケアにおける看護教育内容とCity of Hope(カリフォルニア州の医療施設)が行った研究をもとに作成されたELNEC-G(End-of-Life Nursing Education Consortium-Geriatric)の教育プログラムを受講し、実践トレーニングの習得に努めた。エンド・オブ・ライフケア教育あるいは緩和ケア教育は、日本の看護教育カリキュラムにおいて必須科目としての規定がなく、教育体制は十分であるとは言い難い。看護教育の先進国であるアメリカにおいても同様の状況がある。そのためELNECは、エンド・オブ・ライフケアに携わる看護職に必要とされる知識を学習するためのプログラムとして開発され、ELNEC-Gは、その高齢者版として、エンド・オブ・ライフケアにおいて高齢者特有の状況を加味した教育プログラムに構成されている。これを受講することで、高齢者の老衰という死の状況だけでなく、高齢者のがん終末期の緩和ケア方針について知識が深まるとともに、看取りケア教育のプロトコル作成あるいは、教育の場づくり、教育の段階分け、教育プログラム運営方法などのノウハウについて知識を深めることができた。 また、2013年6月23日(日)~27日(木)に韓国ソウルで行われたThe 20th IAGG World Congress of Gerontology and Geriatrics(第20回国際老年学会議)に参加し、これまでの研究成果を報告するとともに近年の諸外国ならびに日本国内のエンド・オブ・ライフケア研究の現況について情報を収集した。その他、他の研究機関に所属するエンド・オブ・ライフケア研究者らとの定期的な研究会へ参加、研究協力を通して、本研究への準備を進行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の達成課題1:看取りケア対象となるペルソナ作成については、本年度の作成目標数を4例としており、これらについては、原案を作成した。動画作成については、作成業者と予算並びに時間の見込みから本年度内予算では実施できないと判断し、平成26年度に持ち越しする計画とした。 本年度の達成課題2:教育システム作りとして、看取りを行う介護施設において月1回、年間5回の勉強会の実施を計画していたが、ペルソナ作成が遅れたことにより実施できなかった。平成26年度の10月以降に実施できるよう調整している。ただし、他の終末期ケア教育プログラム作成・実施への協力を行い、これを通して今後の実施に向けて自己の知識を広げる活動を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
達成課題1:平成25年度の達成課題であったペルソナ作成については、平成26年度にWeb対応可能な映像として作成を達成していく。また、症例数については、本年度目標であるプラス2例を追加することで目標が達成される予定である。 達成課題2:教育システム作りについては、本年度は介護施設だけでなく在宅看護施設へ問い合せ先を広げ、教育の実施について場所を確保するとともに、実践を行う。 達成課題3:達成課題2の遂行を経て、教育システムのプロトコルについて修正を行う。 達成課題4:平成26年度は、看取りケアの質の調査を1回行う計画がある。こちらについては、平成27年度に他の機関と協力したかたちでより大規模な調査の実施計画が挙がっているため、平成26年度の実施については、本教育プログラムの教育評価にとどめて実施する予定である。 以上、本研究における達成課題すべてに対して記載した。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度予算残額内では、映像ペルソナ作成が実施できない見通しとなり、本年度研究で必要となる予算以外については翌年に繰り越しを行う計画とした。この余剰金を次年度研究費と合わせて計画した研究遂行が円滑になるよう工夫したため。 映像ペルソナ作成費用に充てる。
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