2015 Fiscal Year Research-status Report
脱水症のリスクの高い高齢者をスクリーニングする方法の開発
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25463570
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
岡山 寧子 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (50150850)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高齢者 / 熱中症 / 脱水症 / 体内水分 / 飲水行動 / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者の健康状態やADLなど個人要因と気象状況を組み合わせた高齢者に実践しやすい効果的な脱水予防・熱中症予防プログラムを提案・検証することと体水分動態を考慮した脱水アセスメント法の確立を目的とした。1年目(H25年度)は、基礎的データとなる多様な健康レベルにある高齢者(一般高齢者と自立高齢者)の体内水分量を、主に部位別生体電気インピーダンス法(SBIA)にて細胞内・外液を測定し、観察した。あわせて加齢変化や自立度、体力等との関連を検討した結果、体内水分量については細胞内液量が加齢と共に減少する一方で、細胞外液量はあまり減少しないことや筋肉量減少が細胞内液減少に関連することが確認された。また虚弱高齢者は自立高齢者に比べ、細胞内・外液量共に減少傾向にあり、虚弱高齢者は易脱水傾向であると推測された。体内水分量は飲水行動だけでなく、筋肉量との関連が深いと考えられるため、脱水予防のためにも筋肉量の維持が必要と示唆された。2年目(H26年度)は、1年目のデータを補完した。加えて、易脱水性を正確かつ簡便に測定する方法を開発する基礎的な資料を得るために、モイスチャー・インピーダンス・メーターによる体表水分動態を測定し、体内水分量と皮膚・口腔乾燥との関連性を検討した。以上の結果をふまえ、3年目(H27年度)は、1・2年目のデータを補完する。特に、モイスチャー・インピーダンス・メーターによる体表水分動態測定数を増やし、それが易脱水性の判定項目としての有用性をさらに検討する予定であったが、学部開設により大学業務等が多忙を極め、ほとんど計画が進まなかった。そのため、H28年度も延長課題として研究を継続していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
高齢者の体内水分量の測定は、予定より少ないが必要な調査データは蓄積できてきた。体表面水分動態の測定はほとんど実施できなかった。さらにデータを増やし、検討したい。大幅に研究が遅れているのは、研究者の所属学部が開設した年度であり、学部長としての多忙を極めたために、研究時間や環境の確保が出来なかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
調査フィールドを少し広げ、データ数を増やして検討する。27年度研究費の内、約80万円を繰り越しており、体表水分動態の測定、謝金やアルバイト代、研究報告のための学会出張費などに使用する予定である。
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Causes of Carryover |
スキン・モイスチャー・メータなどの購入が出来なかったため物品費が少なくなっている。成果報告が予定通り出来ていないため出張費が少ない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度は、体表水分動態の測定、謝金やアルバイト代、研究報告のための学会出張費などに使用する予定である。
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[Journal Article] 2.地域在住自立高齢者における転倒リスクの関連要因とその性差(亀岡スタディ)2015
Author(s)
桝本妙子,山田陽介,山田実,中谷友樹,三宅基子,渡邊裕,吉田司,横山慶一,山縣恵美,小松光代,岡山寧子,木村みさか
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Journal Title
日本公衛生誌
Volume: 62
Pages: 390-401
Peer Reviewed
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