2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25463575
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
藤田 冬子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (60612538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 家族介護者 / 高齢者 / 意思 / 介護能力 / エンハンスメント / プログラム / 最期 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢者の家族介護者の介護能力を高める「介護者のためのエンハンスメント・プログラム」の長期的な効果を明らかにすることである。本研究者は、高齢者の家族介護者が介護の知識と技術を高めることに着目し、Bandura(1977)の社会学習理論を基盤とした「介護者のためのエンハンスメント・プログラム」を開発した(藤田,2010)。また、近年、高齢者の終末期医療の選択の意思決定についても注目され、高齢者の病状安定期における終末期医療の選択・意思決定の意識調査や啓蒙活動に関する取り組みが始められている(佐藤,2008、鶴若,2009)。 その後、2012年6月には日本老年医学会より「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン-人工的水分・栄養補給の導入を中心として-」が発出されている。しかし、現状では高齢者の最期に意思が反映されているとはいいがたい。そこで、今年度は、エンハンスメント・プログラムの新たな介護領域として、症状安定期から考える「最期の意思を支える」の開発準備を行った。総合病院で働く看護師及び看護師長、在宅で認知症高齢者を介護する家族介護者に、高齢者の最期の意思を支えるためにプログラムに反映すべき項目、高齢者の最期に意思を反映させるような臨床の取り組みの有無について、面接し情報収集を行った。 また、訪問看護師に対して在宅介護する介護者が認知症高齢者に抱く心情についても情報収集を行った。その結果、高齢者の意思を反映した最期の選択を支援する取り組みが十分に行われているわけではないこと、症状が安定しているときから家族内で最期の方針を話し合っておくこと、高齢者の意向を繰り返し家族内で認識し共有すること、高齢者に対する愛着からケアワーカー等に嫉妬も生じうるということがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者の最期に意思が反映される臨床での取り組み状況から、今回開発するエンハンスメント・プログラムのニーズを把握できたこと、エンハンスメント・プログラムに反映すべき項目が具体的になった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に情報収集した内容を元に、症状安定期的から考える「最期の意思を支える」の介護領域を開催するためのプログラム資料および評価資料を完成させる。 また、このプログラムを運営できるファシリテーター養成プログラムも作成し、既存の3つの介護領域のファシリテータ-養成とともに展開していくこととする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
高齢者の最期に意思を反映するためのヒアリングを行うにあたり、対象者を見つけることに難航したことがあり、また、ヒアリングを行うに従い、さらに多くの情報が必要であることが明確となったため、プレテストができなかった。 平成26年4月~9月:最期の意思を支えるプログラムの完成およびヒアリングによる洗練化 平成26年10月~平成27年1月:プログラムの実施 平成27年2月~3月:プログラム実施結果のデータ整理
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