2015 Fiscal Year Research-status Report
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25463575
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
藤田 冬子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (60612538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 家族介護者 / 高齢者 / 意思 / 介護能力 / エンハンスメント / プログラム / 最期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高齢者の家族介護者の介護能力を高める「介護者のためのエンハンスメント・プログラム」の長期的な効果を明らかにすることである。これまで開発した3つの介護領域である「心配事の解消」「食事の介護」「暮らしのリズムを整える」に加えて、病状安定期から考える「最期の意思を支える」を開発中である。 また、今年度は、急性期病院、介護老人保健施設、訪問看護ステーションの看護管理者にプログラムの実施について説明し協力を依頼するとともに、関西地区で開催される老人看護専門看護師事例検討会においても、プログラム実施の協力依頼を行った。 その結果、介護老人保健施設および訪問看護ステーションの看護師に3つのプログラムの説明会を開催できることとなった。そして、介護老人保健施設および訪問看護ステーションの看護師を対象に「心配事の解消」のファシリテーター養成プログラムを実施した。 さらに、プログラムの到達目標に対する終了時アンケートを分析し第35回日本看護科学学会学術集会において「高齢者をケアする家族介護者のエンハンスメント・プログラムの評価」の演題名でポスター発表した。その中で、「心配事の解消」は他のプログラムに比べ、難しい介護領域であることが推察された。「食事の介護」「暮らしのリズムと整える」ではアンケート結果から到達目標が達成されていた。しかし、全介護領域において参加直後には全体的な介護への自信は十分でなく、学んだ提案を新しい介護の方法として取り入れることについて慎重であることが明らかとなった。 また、後期高齢者の増加により介護する高齢者が認知症を持つことが多いことを想定して、認知症ケアをサブスペシャリティとする老人看護専門看護師と認知症高齢者が入院する病棟師長経験を持つ老人看護専門看護師に、病棟における困難なケアへのかかわりについてインタビューを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
介護者のエンハンスメントプログラムのファシリテーター養成を始めることはできたが、対象者を集めることが難しい状態が続いている。また、実母の認知症と心不全が悪化し介護のため、研究活動が進まない状況が続いた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は対象となる看護師を広めて行うことと、老人看護専門看護師と所属先の看護部長に依頼し、老人看護専門看護師から所属先の看護師候補を選定してもらえるようにお願いする。さらに、病院や看護師へのメリットを明確にし、依頼をすすめていく。たとえば、今年度の診療報酬改定で導入された認知症ケア加算1において、退院後に必要な支援についての家族教育の一環として取り入れていただけないかも提案する。
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Causes of Carryover |
実母の病態が悪化し他界したことに伴う介護等により研究活動に支障をきたした。また、プログラムのファシリテーターとなる看護師の確保がなかなか進まなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
4月~6月 プログラムのファシリテーター受講者の確保のため説明会の会議費および会議資料作成にかかわる費用、交通費を計上する。7月~12月 ファシリテーター養成プログラムとともに研究者によるプログラムの実施のため、教育用冊子の印刷費用、備品として介護用品のほかに、ファシリテーターや参加者への謝礼となる文具を購入予定である。またプログラム実施先に投影の設備がないことも想定し、小型プロジェクターやスクリーン、貸出用のモバイルPCなどの機器を購入予定である。さらに参加した家族介護者に介入前後の調査用紙を配布・郵送するための郵送費や回答への謝礼の文具の購入も予定している。12月~1月 ファシリテーター養成プログラムに参加した家族介護者からのアンケート結果を集計し、アンケートの集計および分析については、研究者にコンサルテーションを受けるため、旅費・謝金を計上する。
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