2015 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症をもつ人の症状マネジメント習得を支援するケアガイドラインの開発
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25463576
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
田井 雅子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (50381413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
畦地 博子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80264985)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 症状マネジメント / 精神科看護師 / ケアガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、統合失調症をもつ人が、その人らしい生活を営めるように、自我機能の状態やレベルに応じて症状マネジメント習得を支援するためのケアガイドラインを作成し、その有効性ならびに実用可能性を評価することである。平成27年度は昨年度のケアの選択にかかわる判断の指標に先行研究の文献や症状マネジメントに関する書籍の検討を加え、ケアガイドラインのアセスメントの113下位項目を32項目に整理した。それらを精神看護専門看護師との検討会にて、分類や内容の適切さを検討し、アセスメントの視点を自我機能、症状や困りごとの自覚、症状マネジメントのレベル、知識、認知、行動、思考、サポート体制の8カテゴリーに分類した。さらに自我機能のアセスメントとして、自我の状態を3レベルに分類し、自我レベルに応じて他のアセスメントの視点のどれに注目してアセスメントを行うとよいのかなど、アセスメント間の関連性を検討した。また看護師の客観的判断、患者の認識、家族の認識を加味し、症状マネジメントの自立度にも応じてアセスメントで重視する項目を検討した。これらを基に看護師の経験年数にかかわらず、症状マネジメントのアセスメントが実践でき、臨床で活用しやすいように図式化を試みた。今後はこれまでに整理した症状マネジメントに関するケアと今年度に明確にしたアセスメント内容を含めたケアガイドライン案を臨床で試用し、その課題を検討しケアガイドラインの最終版を作成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ケアガイドライン案のアセスメントの選定、ケアガイドライン案の作成に時間を要したことと、精神看護専門看護師との検討会後に、ケアガイドライン案の内容の見直しや修正を行うことになり、ガイドラインを臨床で試行する段階までいたらなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
精神科病棟での研究協力者を募り、ケアガイドライン案を参照し、統合失調症をもつ人への症状マネジメントについてのアセスメントと看護援助を実践してもらう。そして精神看護専門看護師、研究協力者との検討会を開催し、ガイドラインの有用性や、活用可能性を評価し、内容を洗練して最終版を作成する。
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Causes of Carryover |
今年度は専門看護師とのケアガイドライン案の検討までの実施となり、臨床でのケアガイドラインの試行に至らなかった。そのため試行に伴う協力者との会議や旅費が発生しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
臨床でのケアガイドラインの試行のために、実施前の説明会、実施中ならびに実施後の協力者、精神看護専門看護師との課題や有用性を評価する検討会を開催するための費用、最終版のケアガイドラインの印刷代として使用する。
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