2014 Fiscal Year Research-status Report
急性期病院における高齢患者のためのせん妄リスクマネジメントの開発と評価
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25463583
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
長谷川 真澄 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (80315522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿貫 成明 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校教授 (20270902)
粟生田 友子 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), その他部局等, 看護部長 (50150909)
菅原 峰子 北里大学, 看護学部, 講師 (70398353)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | せん妄 / リスクマネジメント / 急性期病院 / 多職種チーム / 高齢患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、急性期病院におけるせん妄リスクマネジメントに関する実態と課題を明確化するために、チーム医療によるせん妄マネジメントを行っている施設を対象とするインタビュー調査を計8施設で実施した。分析の結果、71サブカテゴリー、21カテゴリーが抽出され、1)チームの立ち上げ、2)チーム活動の継続、3)チーム活動のアウトカムの3つの局面に分類された。 局面1)には3カテゴリーが含まれ、せん妄リスクの高い患者の存在、せん妄治療への問題意識など〈チーム始動前のせん妄ケアの状況〉と、チームをけん引する仕掛け人、協力者の存在など〈チーム活動の素地〉がある中で、チームの目的を明確化する、スタッフの負担への配慮などにより〈チーム活動の始動・加速〉が行われていた。 局面2)には13カテゴリーが含まれ、<トップからの承認とバックアップ〉〈病院全体への活動の浸透〉〈コスト面の課題のクリア〉などチームが院内に承認されていく環境と、〈チームの凝集性〉〈チームの推進力〉というチーム力が活動推進の基盤として確認された。そして、〈スタッフの実践に合わせた普及活動〉〈スタッフに受け入れられる策〉〈達成可能な活動範囲の設定〉〈チームからの情報発信〉〈インフォーマルな活動〉〈チーム活動を円滑にできる人の活用〉といった方略を用いながら〈スタッフが取り組みやすいシステム〉〈せん妄ケアを定着させるシステム〉を構築していた。 局面3)には〈医療スタッフのせん妄への関心と理解の深まり〉〈せん妄への対応力の向上〉〈患者アウトカムの改善〉〈多職種連携の促進〉〈今後の課題の明確化〉の5カテゴリーが含まれ、チーム活動のアウトカム視点が明らかになった。 これらの分析結果および文献検討の結果を基盤にせん妄リスクマネジメントプログラムの骨子について検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では本年度、せん妄リスクマネジメントプログラムの開発とスタッフ教育視聴覚教材の作成を行う予定であったが、インタビュー調査のデータ収集と分析に手間取り、教材作成への着手が遅れている。以上より区分(3)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、せん妄リスクマネジメントプログラムとスタッフ教育視聴覚教材の開発を完了し、急性期病院の看護師を対象にプログラムを試行することで、介入研究に向けたパイロットテストを行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度はスタッフ教育に使用する視聴覚教材作成のためDVD作成費用を計上していたが、教材作成が遅れていることから、その経費が次年度使用額として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度DVD作成において繰り越し使用額を執行する予定である。
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Research Products
(2 results)