2015 Fiscal Year Research-status Report
グループ回想法いきいき感尺度の開発と高齢者のいきいき感を引き出す実践内容の構造化
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25463584
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Research Institution | Gihu University of Medical Science |
Principal Investigator |
内野 聖子 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 教授 (00348096)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グループ回想法 / 認知症高齢者 / いきいき感 / 尺度開発 / 観察調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
少子高齢化が進む中、認知症への対応が問題になっている。高齢者保健福祉施設では勤務状況の過酷さ、ケアスタッフ数の確保困難が相まってバーンアウトや離職が問題となっている。次々とケアスタッフが代わっていく状況では、精神的に疲弊し、質の高いケアを提供することに困難を極める。研究者はこれまでにグループ回想法の認知症高齢者への対人交流面の効果、実施者へのバーンアウト軽減効果や具体的な実践内容について研究報告しており、グループ回想法の高齢者および実施者への効果に期待している。 本研究の目的は、認知症高齢者のグループ回想法にいきいき参加している様子をとらえながら客観的に効果評価できる「グループ回想法いきいき感尺度」を開発し、高齢者のいきいき感を最大限引き出す実施者の実践内容を構造化することである。 本研究では、グループ回想法実施場面をビデオ録画しその動画データを用いて観察調査を行う。具体的には認知症高齢者の回想法参加状況について表情、言語表現、動作などを中心にした言動を観察調査し、「グループ回想法いきいき感尺度」を開発する。その尺度の信頼性および妥当性については、録画した動画データを再度使用して、観察調査を行うことで検証する。さらには開発した尺度を用いて把握された参加高齢者のいきいき感が引き出された回想法実施場面を抽出し、その場面における実施者の実践内容について、声かけ、高齢者の障害への対処などについて観察する。 平成25年度はグループ回想法を1クール、そして、平成26年度には3クール実施した。平成27年度は、グループ回想法実施場面を動画録画データを観察調査した。平成28年度は観察調査結果を踏まえて尺度開発を進めていく予定である。 なお、本研究結果は、今後、学会発表や学会誌へ投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度、平成26年度においてグループ回想法を4クール実施し、27年度中に観察調査および尺度開発が完了する予定であった。今後、スピードを上げて、尺度開発を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
グループ回想法いきいき感尺度開発を計画的に早急に進めていく。
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Causes of Carryover |
本研究の目的は、認知症高齢者を対象にしてグループ回想法に参加した状況をビデオ観察調査で把握し、いきいき感を測定できる尺度を開発することである。また、さらに、いきいき感が高い値を示した場面で、実施者のかかわりを抽出してケアの構造化をすることも行う。研究の進行とともに、日本における状況とともに、海外の認知症高齢者ケアの状況についても具体的に知る必要性があると考えた。 よって、本年度では、オーストラリアという日本の社会福祉状況が似ている国の状況を知るために、海外研修に行った。この海外研修を実現するために、前倒しが必要になるほどの支払い請求が必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
開発した尺度の信頼性と妥当性を検証するために、研究協力者から協力を得て、観察調査を行う予定である。開発した尺度、そして、生活健康スケール等の類似した概念を取り扱うスケールを用いて、この検証を行う。この信頼性と妥当性の検証とともに、尺度を活用して結果を明らかにし、高齢者のいきいき感が高い場面を観察調査、研究協力者間で複数回の検討会を行い、いきいき感を高める関わり内容を具体的に抽出していく予定である。人件費、学会参加・発表、研修会参加、科研費報告書の作成について科研費の執行により行う。
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