2015 Fiscal Year Research-status Report
「発話」を活用した嚥下機能維持・向上ケアモデルの構築と有効性の検証
Project/Area Number |
25463587
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
井上 映子 城西国際大学, 看護学部, 教授 (80194059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和野 千枝子 城西国際大学, 看護学部, 准教授 (90461839)
山田 万希子 城西国際大学, 看護学部, 助教 (40299897)
後藤 武 城西国際大学, 看護学部, 教授 (30406772)
大森 直哉 城西国際大学, 看護学部, 准教授 (60406767)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発話 / 高齢者 / 嚥下機能 / 生理機能 / ストレス / 免疫機能 / 心理的側面 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、「発話」を活用した嚥下機能維持・向上ケアモデルを構築するために、「能動的発話」と「受動的発話」の、嚥下機能、生理機能、免疫機能、ストレス、心理的側面への影響を明らかにすることを目的とした。 対象は、地域在住健康高齢者9名(70.7±3.4歳)。クロスオーバー試験。介入方法は、「受動的発話」(7000個単音節発声)を2回、および20分間の「能動的発話」、30分間の「能動的発話」であり、介入前後で各機能への効果を測定した。 評価指標は、1.嚥下機能:①RSST3回目積算時間(健口くん;竹井機器工業株式会社)、②口腔内湿潤度(口腔水分計ムーカス:株式会社ライフ)、③舌圧(JMS舌圧測定器)、④呼気筋力(ピークフローメーター:アセス)、⑤オーラルディアドコキネシス(健口くん:竹井機器工業株式会社)、2.生理機能:①深部体温と②血圧(ベッドサイドモニターPVM‐2703:日本光電)、3.ストレス測定:①唾液アミラーゼ(唾液アミラーゼモニターCM-21:ニプロ株式会社)、4.脳波(パルラックスF:FUTEK)、5.心理:満足感、爽快感、楽しさ、意欲、不安感、疲労感の各6項目(Numerical Rating Scale) 解析方法は、2群比較(Mann-WhitneyのU検定)、および各群の前後比較(WillcoxonのT検定、中央値検定である。 現在データ収集を終えて解析中である。20分間の「能動的発話」では嚥下機能の影響がなく、30分の「能動的発話」介入の前後では、嚥下時間が有意に短縮した(p=0.008)従って、誤嚥予防のための「能動的発話」介入には、30分間の発話、もしくは発声単音節数9000個前後が有効であることが明らかになった。今後は、他の項目について解析を継続し、ケアモデルを作成する。そして施設入居高齢者を対象にケアモデルを用いて介入し、モデルの効果検証を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
①被験者の承諾、および②データ収集の時間調整に時間を要した。また③優先しなければならない教育、および業務処理の発生により、計画通りに研究を遂行することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
至急データを解析し、「能動的発話」と「受動的発話」のケアモデルを作成し、高齢者施設に入居している虚弱高齢者にケア介入をし、このモデルの有効性を検証する。被験者の調査の負担を軽減するために、評価指標の選定を行う。 また、ケア介入が可能なフィールドの開拓を並行して進めていく。
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Causes of Carryover |
研究代表者の大学における業務が多忙となり、また被験者の確保に想定以上に時間を要したことから、2年目の研究を行ったものの分析が滞っています。これに伴い嚥下機能維持・向上モデルの策定が行えず、3年目に計画していた臨床でのケアモデルの検証研究が行えていません。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、前学期中にケアモデルを作成し、後学期には臨床の場でモデルの検証を行います。そのため、モデル作成と同時進行で検証できる臨床の場の確保に努めていきます。 臨床でのデータ収集、分析、および学会発表、研究総括に費用を費やす予定です。
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