2014 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者のQOL充実へのインフォーマルサポートの活用に関する研究
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25463606
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Research Institution | St. Mary's College |
Principal Investigator |
濱野 香苗 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (60274586)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地域在住高齢者 / QOL / インフォーマルサポート / 市街地 / 過疎地区 |
Outline of Annual Research Achievements |
フォーマルサポートに格差がある離島に在住する高齢者のみならず地域在住高齢者のQOLの充実へのインフォーマルサポートの有効性の可能性の示唆を得ることをねらいとして、D市(市街地・過疎地区)在住の65歳以上の高齢者のQOLとインフォーマルサポートの状況を平成26年8月~平成27年3月、質問紙を用いて面接調査した。D市市街地51名(男性17名、女性34名)、65歳から89歳、平均76.0歳、配偶者と二人暮らし15名、子どもと同居13名、独居7名、配偶者と子どもと同居14名、小学校卒2名、中学卒7名、高校卒27名、短大以上卒12名、仏教徒45名、QOL得点は2.31~4.69点、平均3.76点、老研式活動能力指数は8~13点、平均11.5点、相談や緊急時対応する人がいる46名、介護保険の認定は1名でサービスは受けていなかった。フォーマルサポートは5~9点、平均6.4点、インフォーマルサポートを老人会等から受けた21.6%、自分が助けた29.4%、家族等から受けた64.7%、自分が助けた70.6%であった。D市過疎地区は54名(男性25名、女性29名)、65歳から85歳、平均74.1歳、配偶者と二人暮らし20名、子どもと同居7名、独居5名、配偶者と子どもと同居19名、小学校卒4名、中学卒34名、高校卒12名、短大以上卒4名、仏教徒46名、QOL得点は2.77~4.81点、平均3.68点、老研式活動能力指数は8~13点、平均11.4点、相談や緊急時対応する人がいる46名、介護保険の認定は1名でサービスは受けていなかった。フォーマルサポートは5~10点、平均6.6点、インフォーマルサポートを老人会等から受けた22.2%、自分が助けた38.9%、家族等から受けた61.1%、自分が助けた72.2%であった。 QOL得点は市街地と過疎地区で差が見られた。インフォーマルサポートは老人会等よりも家族や親戚等から受けることが多く、自分でも助けていた。フォーマルサポートの差は社会福祉協議会によるサロン参加者数が影響していると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初、D市在住の65歳以上の男女70名(市街地35名、過疎地区35名)を予定していた。各家庭を訪問しての調査は断られることも多かったが、老人会や役場のクラブ活動等、高齢者が集まっていることが多い機会を捕らえて訪問するようにしたところ、全体では105名に調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に調査したB島・C島、平成26年度に調査したD市の高齢者でQOL得点が高かった人各10名合計30名、低かった人各10名合計30名を対象に、組織等や家族・仲間等からの心理的サポートや手段的サポートの授受状況をインタビューガイドを用いた面接による調査を実施し、明らかにする。
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Causes of Carryover |
当初平成27年度に国際学会1つに成果発表をする予定にしていたが、2つの国際学会で研究成果を発表することにしたため、学会参加費や旅費が必要になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年9月8日~11日、イタリアのロディで開催される第19回国際農村医学会学術集会への参加費および旅費として約45万円の支出を予定している。
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