2014 Fiscal Year Research-status Report
精神障害者家族ピア教育プログラムの波及効果とシステムの評価
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25463615
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蔭山 正子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80646464)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精神障がい者家族 / プログラム評価 / フィデリティ尺度 / 家族教育 / 統合失調症 / 家族支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. プログラム実施のプロトコル遵守を促進するためのフィデリティ尺度:「家族による家族学習会」のプログラム遷移を防止し、提供されるプログラムの質を担保するために、効果的援助要素を包含したフィデリティ尺度を開発した。にプログラムを終了した38か所でプログラム最終回に自記式質問紙調査を行った。プログラムの最終回にいた386名のうちフィデリティ項目のうち、基本的構造8項目全てがいずれかのアウトカム指標とp<0.1の関連を示した。プロセスのサブドメインのうち「肯定的フィードバック」以外はいずれかのアウトカム指標とp<0.1の関連がみられた。最終的に、基本的構造(8項目)とプロセス(4サブドメイン)の2つのドメインで構成するフィデリティ尺度を開発した。尺度は一定程度の妥当性が確認された。本尺度はプログラムの質を評価するアドバイザーが使用できるようアドバイザーマニュアルに入れられた。 2. グループプロセスを評価する尺度の日本語版を開発:Therapeutic Factors Inventory-19の日本語版を開発した。日本語訳を作成し、バック・トランスレーションしたものを開発者が確認した。38のグループ246人に記入してもらった。再テスト信頼性は46人で検討した。確認的因子分析では十分な値を得ることはできなかった。収束性・弁別性妥当性の検証に用いたMultitrait分析では、instillation of hope とsecure emotional expressionのみ成功した。併存的妥当性や内容的妥当性が確認された。 3. プログラムの効果評価:プログラムを実施した38か所について、自由記載をプログラムに参加して思ったこと・変わったことという視点で分析した。また、プログラムから得たことなどの主観的評価によって参加者・担当者にとってのプログラムの効果を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実践のプログラムマニュアルに反映できるだけのデータ分析と論文執筆ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はプログラムの普及を目的とした実施普及研究である。この2年間で地域の家族会を中心に普及させるために必要な方策と、波及効果を測定するために必要な尺度開発をしてきた。また、普及に必要なマニュアル作成にも反映している。最終年度は、更に普及させるシステムの構築を目指して、精神科病院で試験的に実施し、普及のシステムを評価する。
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Causes of Carryover |
プログラム効果に関する調査を事前事後で実施する予定だったが、事後1回のみとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
プログラム効果評価の出張費等に使用する。
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