2016 Fiscal Year Annual Research Report
Genetic counseling as preventive strategy for common multifactorial diseases
Project/Area Number |
25463616
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西垣 昌和 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20466741)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 予防 / 遺伝カウンセリング |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中の家族歴を持つ成人におけるリスク認識を高めることを目的とした介入本研究をデザインすることを目的に,前年度末に実施した質問紙調査の詳細な分析をすすめた.その結果,親から脳卒中の危険性について注意喚起を受けているものは,そうでないものと比較して,自身の脳卒中リスクの認識が高いことが明らかになった.さらに,遺伝が脳卒中の原因として重要であると考えている対象者も,自身の脳卒中リスクの認識が高いと考えていた.一方,脳卒中に特に原因はなく偶然の要素が強い,と考えている対象者は自身の遺伝のリスクを低くとらえる傾向があった, これらのことから,脳卒中家族歴を有する成人のリスク認識を高め,予防行動の実施に結び付けるための介入のポイントとして,(1)親とのリスクコミュニケ―ションの促進,(2)脳卒中の発症には遺伝的背景があることの理解,(3)生活習慣と発症リスクの関連の強調と,生活習慣改善による脳卒中リスクはコントロールできること,の3点をあげた. 介入方法は,脳卒中の家族歴をもつ集団の特性と,患者である親とのコミュニケーションを促進するという目的を達成することを重視しデザインした.具体的には,対象集団が興味・関心を持ちやすく,さらに患者と親の双方が手に取って活用することができる媒体として,マンガを主体とした小冊子「家族と話そう!脳卒中の遺伝と予防」を作成した.小冊子では,脳卒中を発症した母親と子が,遺伝の専門家とのの助言を得て,脳卒中をはじめとする多因子遺伝病の要因(遺伝要因と環境要因の双方によって発症すること),脳卒中家族歴を有する者は体質・生活習慣の双方の観点から脳卒中のリスクが家族歴を有さないものより高いことが想定されること,生活習慣を改善することでリスクを下げられることを強調する内容とした.今後は,この小冊子を外来・検診施設での配布,webでの閲覧等により社会実装していく.
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