2016 Fiscal Year Research-status Report
職域のうつ病・自殺を予防するための睡眠保健指導ICTシステムの開発
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25463620
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
巽 あさみ 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90298513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 章雄 愛知医科大学, その他部局等, 名誉教授 (80135342)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 不眠 / うつ病・自殺予防 / メンタルヘルス / 保健指導 / 睡眠保健指導システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は職域における不眠スクリーニングを切り口としたICTによる睡眠保健指導システムを開発し、その効果を明確にすることである。これらにより、不眠等睡眠障害を持つ労働者への早期介入が可能になり、生活習慣改善によって不眠を改善したり、専門医に早期受診・早期治療することによって、最終的には職域のうつ病・自殺予防が期待できると考える。 平成28年度は3回目の睡眠調査を実施した。B事業場のみが調査の協力が得られた。た 調査対象者572人のうち、回答が得られたのが339人、回収率 59.3%であった。その結果、受診勧奨29人、経過観察52人であった。 また、調査結果の中から女性に焦点を当てて「女性労働者の睡眠を妨げる要因の検討」について第5回日本産業看護学会学術集会において発表した。女性労働者402名のうち、睡眠を妨げる要因が有ると回答したものは219名(54.4%)であった。睡眠を妨げる要因が有るものは、睡眠を妨げる要因がないと回答したものよりも、「既婚」や「同居家族あり」が多く、「平均睡眠時間」が短く、「寝ても疲れがとれない」ものが多く、「運動習慣」あるものが少なかった。また、夜眠れない要因として、家事と育児(複数回答)が95.6%を占めていた。、「寝ても疲れがとれない」症状はメンタルヘルスと関連していることがある。これらのことから女性労働者の睡眠に関連する要因は家庭での役割や家庭環境などと密接に関連しており、女性労働者の睡眠を改善し活き活きと仕事や生活をするためには家庭での背景を踏まえた支援を行う必要があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究対象として依頼していた事業場が3回目の調査から1事業場となった。また、その事業場において、研究担当をしていた看護職が退職し、人が変わったことによって協力いただくことが困難になった。そのため、十分に説明することや調査期間を長くして回収するなど時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、調査データ3年間(26年~28年度)の介入・非介入調査の保健指導効果について分析する。 また、3年間通して回答が得られた対象者の睡眠状況を中心にうつ状態、ストレス、QOLの変化について分析する予定である。
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Causes of Carryover |
研究進度が遅れており、平成28年度中に調査結果の評価や分析、学会発表等を実施することができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度には最終的な睡眠保健指導ICTシステムの確認作業をし、研究成果を公表する準備等の費用に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)