2015 Fiscal Year Annual Research Report
在日ブラジル人妊産婦の心身の健康状態とその社会的意味づけ及び対処行動について
Project/Area Number |
25463623
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
畑下 博世 三重大学, 医学部, 教授 (50290482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
マルティネス 真喜子 京都橘大学, 看護学部, 講師 (10599319) [Withdrawn]
西出 りつ子 三重大学, 医学部, 准教授 (50283544)
南 唯公 (中西唯公) 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 講師 (50582110) [Withdrawn]
鈴木 ひとみ 京都学園大学, 健康医療学部, 准教授 (60462008)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 異文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、異文化の日本で生活するブラジル人妊産婦が、どのような心身の健康状態を体験しているのか、それに相互に影響を及ぼす社会的意味(文化の持つ価値観)、社会関係、探索行動を妊産婦自身の考えや行動に焦点をあてながら明らかにすることを目的とした。研究目的を達成するために量的・質的データを収集した。 質的研究対象は、A・B県に在住する妊娠・産後約1か月にあるブラジル人女性18名で、日本人研究者と、ポルトガル語通訳者が2人1組となり、対象者の自宅で半構成的インタビューを行った。データのコーディングとテーマ抽出は分析的エスノグラフィを用い、コア・テーマを抽出した。 その結果、「社会的意味」では、血の繋がりのある家族が大切、夫は生活のパートナー、母親となっても働くのが当たり前など11のアクシャルカテゴリーが抽出された。「ネットワーク」では、限られた交流、身近なブラジル人との交流など5つのアクシャルカテゴリーが抽出された。「対処」では家族に相談するなど4つのアクシャルカテゴリーが抽出された。日本とは異なる家族や親族の歴史的背景、夫婦のあり方や宗教が影響していることが考えられた。また、デカセギという境遇の中で助け合いや、実の親や親類との強い結び付きが浮かび上がった。 量的データは、合計83人から回答を得ることができた。データは分析中であるが、回答者の属性を集計したところ、平均年齢は30.7歳、平均日本平均滞在年数は 11.7年であった。
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