2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25463626
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松田 宣子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10157323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 哲 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10216658)
石井 美由紀 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (40437447)
内村 利恵 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (80634295)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子ども虐待 / 保健師 / 介入モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
保健師の母子保健における子ども虐待防止介入モデルⅠの開発のため 子ども虐待に関する文献、特に保健師の支援と子ども虐待防止システムに関する文献検討を再度行い、支援内容と防止システム内容を抽出した。医学中央雑誌及びCiNiiを用いて「児童虐待「保健師」「児童虐待防止システム」、「児童虐待防止のためのケア」をキーワードとして2008年から2013年12月までに発表された国内文献65件について検討した。 結果、子ども虐待の要因や支援の現状に関する調査研究が37件、医療機関と保健所や保健センターとの連携やシステムの効果や保健師の支援・介入に関する介入研究が19件、事例研究が4件および文献研究が5件であった。個人スキルとして「母子関係を育む育児支援」「関係機関との情報共有のためのシートの活用」「関係機関や関係職種との連携調整力」「母子の周りにいる家族支援」「妊娠期からの支援」「他職種との役割分担の明確化」「事例検討会の開催」「親、保護者とのパートナーシップ」「被虐待児への対応の仕方の指導」などの内容が抽出され、その結果として母子支援による継続的な支援により安心の提供につながっていた。医療機関と保健所、市町村保健センターの連携では、「院内にあるハイリスク群へのシステムとのスムーズな連携調整」「院内の連絡調整部門との連携」、「地域における虐待防止委員会の立ち上げ」など内容が抽出され、その結果、子ども虐待への早期発見や防止や退院後の地域との連携により継続的な支援が行われており、成果が述べられていた。以上の研究結果を踏まえた子ども虐待防止介入モデルⅠの重要な要素は、まず「支援対象者への個人スキル」「他機関、地域との連携調整スキル」の要素が介入として抽出された。研究成果として具体的介入方法が明らかとなり、モデル構築につながったことは意義深い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第2段階では、試案した子ども虐待防止介入モデルⅠについて研究協力の得られた保健師20名にグループインタビューの実施予定であったが、第1段階での文献検討や研究者同士の検討が不十分なため介入モデル1が十分に構築できておらず、再度文献検討とモデル構築に時間を要した。十分な時間が取れなかった大きな理由は、新しく立ち上げた日本公衆衛生看護学会学術集会の開催や本学の保健師課程の修士課程での教育の構築の業務、他大学での大学院の立ち上げなどの本来にはない多くの業務が重なったことがあげられる。また、インタビューをお願いする研究協力者である保健師の確保についても時間的に十分な準備ができなかったことも理由としてあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には、試案した子ども虐待防止介入モデルⅠの妥当性に関する保健師のグループインタビューの実施に向けて、近隣の保健所や市町村の保健師管理責任者に研究の必要性など十分な準備をして積極的に依頼に行く。その結果を踏まえて子ども虐待防止介入モデルⅡを完成させ、全国の保健所および市町村で母子保健を担当している保健師に介入モデルの妥当性を問う調査を実施する。研究分担者および研究をサポートしていただく博士課程の学生2名の協力を得る予定である。
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Causes of Carryover |
本年度予定していた保健師へのグループインタビュー調査やモデルの妥当性を検証する全国調査の実施ができなかったため、調査にかかわる旅費や調査用紙の送付およびデータ処理の支出ができなかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、今年度実施できなかった保健師へのグループインタビュー、全国調査の実施の費用に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)