2015 Fiscal Year Annual Research Report
保健・学校行政恊働型の性・自殺・加虐行為等の思春期問題予防地域システムの開発
Project/Area Number |
25463650
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
渡會 睦子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 准教授 (50360003)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 性教育 / 性問題 / 自殺 / 加虐 / 地区診断 / 人工妊娠中絶 / 性感染症 / 保健師 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本において若年層の性・自殺・加虐行為等の思春期問題は重大な課題であり、幼少時の自己肯定感の向上は重要な予防対策の一つといわれている。これまで検討してきた『生きるための心の教育(性教育)』教材(小学・中学・高校生向けPowerPoint教材,日本家族計画協会,2006)は、児童・生徒・保護者・各自治体の教育委員会等から、性問題だけでなく自殺・加虐行為等の予防に繋がったとの反響を得てきた。そこで本研究では、特に丁寧な心の関わりが求められる児童養護施設に対する小学生から始める思春期問題予防教育の検討と教材開発を目的とした。 山形県児童養護施設協議会処遇部会と共に県内全養護施設である5施設を対象とし、施設職員研修会、入所児童・生徒性教育講演会、教育内容検討会を開催し意見を分析し、教育内容の検討を行った。検討の際には『生きるための心の教育(性教育)』教材(小学生向け)を用い、必要事項を抜粋し、追加修正を加えた。その後、児童に接する全施設職員が教材内容を確認し、問題抽出し教材を作成した。 施設職員研修会後、施設職員は「子どもたちが幸せな人生を歩めるよう心の土台を作る」「自分の体と心を大切にできるように関わる」「会話を大切にする」等の共通した意志を得た。また、教材検討では、大切な友達・自分を守る・体を守る・大人への成長・大切な命等の必要項目を抽出し、伝えたい「生」と「性」~生きるための心を学ぶ~と題し、全ての子どもたちに愛が伝わることを願い検討を繰り返し、小学生用紙芝居教材・ハンドブックを完成させた。 全国的に養護施設職員の配置には資格等の規定がない場合が多く、思春期問題に対しハイリスクといえる背景を持つ養護施設の子どもたちへの接し方や教育に関するマニュアルがない場合も多い。本教材の作成は今後職員のマニュアルとして活用されることも期待できる。引き続き中学生・高校生用紙芝居も作成する。
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Research Products
(6 results)