2015 Fiscal Year Annual Research Report
地域在住高齢者における睡眠改善教育プログラムの生活機低下および虚弱への効果
Project/Area Number |
25463661
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
田中 美加 北里大学, 看護学部, 教授 (70412765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久佐賀 眞理 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (10312167)
牛島 佳代 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (10336191)
檪 直美 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (80331883)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 睡眠認知行動療法 / 高齢者 / 無作為割り付け比較試験 / 虚弱 / 生活機能低下 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年に地域の健康教室に参加している高齢者45名を対象に、平成26年度に地域老人クラブを介して募集した地域在住高齢者81名を対象に、介入群と非介入群に無作為割り付けを行い、睡眠教育プログラムの夜間睡眠、生活機能や虚弱に対する効果を測定した。 ベースラインおよびアウトカム調査項目として①基本属性 ②生活状況 ③高齢者用抑うつ尺度(GDS) ④QOLの尺度 ⑤睡眠の評価(PSQI)⑥睡眠に対する非機能的な信念と態度(DBAS-J)⑦睡眠行動(睡眠障害につながる睡眠行動の有無)⑧Freidらの虚弱指標(歩行速度,握力など)を自記式質問票にて調べた。フォローアップ期間は3か月とした。 その結果、地域在住高齢者においては、睡眠得点(PSQI)は介入群において有意に減少し、睡眠改善が認められた。また、抑うつ得点(GDS)は介入群において減少の傾向が認められた。一方、虚弱指標は変化しなかった。 平成27年度はベースラインのデータを使用して、「睡眠の質と睡眠関連生活行動の関連」および「抑うつと筋力およびバランス機能」との関連を、一般化推定方程式を用いて検討した。その結果、睡眠の質を低下させる睡眠関連生活行動は、夕方以降のカフェイン摂取であり、高齢者においては重点をおいて教育していく必要がある。また、高齢者の抑うつ得点は、開眼片足立ちと有意に関連し、握力及び2分間歩行とは有意ではなかったが傾向が認められた。 以上より、睡眠改善教育プログラムは地域高齢者の睡眠改善に有効であることが示された。また、抑うつに関しても改善させる傾向を認めた。一方、虚弱指標に関しては今回の3か月のフォローアップでは効果を認めなかった。しかし、ベースラインにおいては、抑うつと虚弱指標は有意に関連しており、睡眠の改善は抑うつ改善を介して虚弱指標を改善させる可能性が示唆され、今後さらに検討する必要がある。
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