2013 Fiscal Year Research-status Report
医学研究に関する各種倫理指針の統合を目指す包括的研究 <被験者保護と公益性>
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25500003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村山 敏典 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30378765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪原 登志子 (伊藤 登志子) 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90425447)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 倫理指針 / 健康被害補償 / 利益相反 |
Research Abstract |
研究代表者らは平成24年10月に、医学研究に関する各種倫理指針の統合を目指す包括的研究の計画調書を提案・申請したが、期せずして同年12月に厚生労働省厚生科学審議会科学技術部会 疫学研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会/臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会 が開催されたのを皮切りとして、翌25年2月からはこの厚労省専門委員会は文部科学省科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会 疫学研究に関する倫理指針の見直しに関する専門委員会との合同委員会として、平成26年3月までに計10回の会議が開催された。研究代表者と研究分担者はこれらの会合のほとんどを傍聴し、他の研究者とも情報を共有したうえで、「疫学研究に関する倫理指針」及び「臨床研究に関する倫理指針」の見直しに関する中間取りまとめに対する意見募集が平成25年9月に開始された際には、健康被害補償(補償金と医療提供)、いわゆる混合診療、試験薬/試験機器提供者の位置づけ、スポンサーの概念 などの課題に対し政策提言を行った。また、研究代表者は日本臨床試験学会第二次臨床研究推進ワーキンググループに所属し、このグループ内でアカデミア・企業・NPOの3者が医師主導臨床研究への企業支援のありかたや利益相反について討議を重ねた。さらに、損害保険会社や保険代理店と複数回の会合を行って臨床研究保険商品の改良のために意見を交換した。 これらの活動について第34回米国臨床試験学会年次大会(ボストン)、第26回欧州医薬品情報協会年次大会(ウィーン)、第5回日本臨床試験研究会学術集会(東京)などでその研究成果を発表し、また平成26年3月に市民公開講座を京都で開講して、臨床試験・治験に関する講演とパネルディスカッションを企画実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画として、「疫学研究に関する倫理指針」及び「臨床研究に関する倫理指針」の見直しに関する政策提言と補償措置拡充に関する協議をあげていたが、どちらもおおむね計画どおりの進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
A) 研究代表者と研究分担者は、厚生労働省厚生科学審議会科学技術部会 疫学研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会/臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会 と 文部科学省科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会 疫学研究に関する倫理指針の見直しに関する専門委員会との合同委員会 を引き続き傍聴して問題点を整理するとともに、平成26年夏にも予想される統合指針(人を対象とした医学系研究に関する倫理指針)案の公開に際し、被験者保護と公益性に鑑みて再び政策提言を行う。 ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針については平成25年4月に改正施行されたが、研究代表者と研究分担者が、包括同意等について他の指針との整合性も検討し、指針改正または統合の提言をとりまとめる。 B) iPS細胞やES細胞の研究を扱う再生医療等の安全性の確保等に関する法律が平成26年11月に施行される予定で、ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針が廃止されるので、同法および関連通知の定める補償措置としての補償保険商品の開発を、研究代表者と連携研究者が「自主臨床研究のリスクに応じた被験者保護に関する研究会」や民間損保会社とともに進める。 C) 奨学寄付等に関する利益相反や、自主臨床研究全般に関する指針の用語や内容については、日本臨床試験学会第二次臨床研究推進ワーキンググループの活動もふまえ、企業や市民をも対象とするシンポジウムやwebの場を設けて討議し、被験者やその家族の理解の助けとなる資料(パンフレット・ホームページなど)を、イラストレーターの支援も求めて研究代表者、研究分担者らが作成する。 上記A)~C)に関して、国際学会で研究成果を発表して、国際比較のフィードバックを得る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者らは平成24年10月に、医学研究に関する各種倫理指針の統合を目指す包括的研究の計画調書を提案・申請したが、期せずして同年12月に厚生労働省厚生科学審議会科学技術部会 疫学研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会/臨床研究に関する倫理指針の見直しに係る専門委員会 が開催されたのを皮切りとして、翌25年2月からはこの厚労省委員会は文部科学省科学技術・学術審議会生命倫理・安全部会 疫学研究に関する倫理指針の見直しに関する専門委員会との合同委員会として、平成26年3月までに計10回の会議が開催された。従って当初 初年度に計画していた、各種学会活動等を通じて指針の統合・見直しを求める活動が不要になり、次年度使用額が生じた。 次年度は統合指針(人を対象とした医学系研究に関する倫理指針)が公布される見通しであり、その施行時期も見据えながら、当初計画よりもさらに市民講座その他の啓蒙活動に力を注ぐ。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] An international survey of physicians regarding clinical trials: a comparison between Kyoto University Hospital and Seoul National University Hospital.2013
Author(s)
Ito-Ihara T, Hong JH, Kim OJ, Sumi E, Kim SY, Tanaka S, Narita K, Hatta T, Choi EK, Choi KJ, Miyagawa T, Minami M, Murayama T, Yokode M.
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Journal Title
BMC Med Res Methodol
Volume: 13
Pages: 130
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Novel collagen/gelatin scaffold with sustained release of basic fibroblast growth factor: Clinical trial for chronic skin ulcers.2013
Author(s)
Morimoto N, Yoshimura K, Niimi M, Ito T, Aya R, Fujitaka J, Tada H, Teramukai S, Murayama T, Toyooka C, Miura K, Takemoto S, Kanda N, Kawai K, Yokode M, Shimizu A, Suzuki S.
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Journal Title
Tissue Eng Part A
Volume: 19
Pages: 1931-1940
DOI
Peer Reviewed
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