2013 Fiscal Year Research-status Report
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25500009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小林 亜津子 北里大学, 一般教育部, 准教授 (00383555)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看護倫理 / 訪問看護 / 在宅ケア / 終末期 |
Research Abstract |
本研究では、在宅ケアに特徴的な医療の意思決定に着目し、これまで「病気」の「治療」を主な目的とする施設内看護を念頭において論じられてきた看護倫理の議論を、必ずしも「治療」や一分一秒の「延命」を第一優先としない在宅ケアの場面に照らし合わせ、その有効性を検討することにより、在宅ケアの固有の倫理的課題の構造を、具体的事例の収集をふまえながら明らかにすることを目標としている。 初年度は、事例収集を中心とし、国内外の文献や判例データベースやLexis.comなどを利用し、該当する事例の検索・収集を行なった。典型的なケースについては、法政大学での講演「現代のコモンセンス」において、認知症等でインコンピテントとなった人の治療方針(胃ろう等)の決定についてのモラル・ジレンマを紹介した。また、図書『生殖医療はヒトを幸せにするのか』(光文社新書)を上梓し、そのなかで、人工授精や死後生殖など、技術によって生まれてくる子ども自身の意思が、技術を用いる時点では確認できないという問題と、終末期の延命医療に対する患者本人の意思確認が困難である状況との間に、通底する倫理問題があることを論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で予定した通り、国内外の文献等から、訪問看護師が療養者の医療の決定に際して、倫理的ジレンマを感じた事例を収集することによって、それらを在宅でのターミナルケア、障がい者のケア、難病患者のケア、認知量高齢者の医療選択などのカテゴリーごとに分類、収集することができた。これらの事例を本研究のために立ち上げるHPでデータベースとして公表する準備ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、国内外の文献等による事例収集と、訪問看護ステーションなどへのヒアリング等を通じて、前年度から準備していた事例データベースを公表しながら、その拡充を図る。また、それらをふまえて、在宅ケアにおける意思決定の問題や訪問看護師が直面する倫理的ジレンマを、在宅医療ん医特徴的な問題の構造は何かという視点から列挙し、その命題集を作成する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入を予定していた図書の刊行が遅れ、次年度にずれたため。 購入を予定していた図書が刊行され次第、購入する。
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Research Products
(2 results)