2014 Fiscal Year Research-status Report
医学研究に参加する子どものインフォームド・アセントに関する研究
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25500012
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Research Institution | Teikyo Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
石山 ゐづ美 帝京学園短期大学, その他部局等, 准教授 (70541704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 然太朗 山梨大学, 総合研究部, 教授 (10210337)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インフォームド・アセント / インフォームド・コンセント / 子ども / 医学研究 / 尺度 / 倫理指針 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、国際学会での研究発表2報、研究論文の執筆と掲載1報および尺度開発のための発達検査に関する情報収集を行った。具体的には以下の内容である。 (1)国際学会での研究発表・・・平成26年5月のヨーロッパ人類遺伝学会、平成26年10月のイギリス社会学会医療社会学部会の2つの国際学会において、未成年者のインフォームド・アセントに関する日本の一般市民の意識を題材とする研究発表を行った。これらは、平成26年3月に実施した全国調査により明らかになった結果の報告である。研究者との意見交換により今後の課題が明らかになるとともに、国外の学術研究の最新情報を収集することができた。 (2)研究論文の執筆・・・本研究の成果である2報目の研究論文が、平成27年2月発行の帝京学園短期大学研究紀要に掲載された。論文構成は上記の学会における発表内容、インフォームド・アセントに関連する日本国内の制定法の抽出、および平成26年12月に文部科学省・厚生労働省により制定された統合指針「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の解釈および英訳から成る。研究の基盤となる倫理指針が改訂されたことは今後の研究推進に大きな影響を与えることとなるため、新指針のインフォームド・アセントに関連する部分の解釈を詳細に行った。 (3)発達検査に関する情報収集・・・アセント能力測定尺度作成には既存の発達検査を応用することが合理的であるとの判断に至り、多数ある発達検査から絞り込むための前提として、それぞれの検査の情報収集を行った。小学生以下を対象とする本研究の範囲に適合し、かつ全国の乳幼児健診で最も利用されている新版K式発達検査を候補の一つに選定し、発達検査の経験が豊富な専門家から、専門的知識の収受を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年12月にこれまでの「臨床研究に関する倫理指針」と「疫学研究に関する倫理指針」を統合した新たな医学研究の倫理指針である「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」が文部科学省・厚生労働省により制定され、平成27年2月に「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針ガイダンス」が同省から提示された。本研究は旧指針を参照しながら構成して来たため、研究を推進するにあたり、統合指針と新ガイダンスへの理解を深めた上での再構成が必要となった。 さらに、尺度作成には既存の発達検査を応用することが合理的であるとの判断に至り、多数ある発達検査から選択するための前提として、それぞれの検査方法を熟知する必要があった。 これらの理由により、情報収集のための活動が増加し、アセント能力測定尺度作成の段階に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、尺度作成の参考とする発達検査法を選定し、それを引用してアセント能力測定尺度を作成する。尺度の信頼性と妥当性の検討のため、各種フォーカス・グループ・インタビューを実施することに加えて、子どもを対象とする面接調査を2回実施する。これらの過程を経て修正を行い、信頼性と妥当性のあるアセント能力測定尺度を開発することを目標とする。 その後、研究発表と論文執筆を研究の進捗に応じて適宜実行し、他研究者との議論を含めて研究内容の改善を行う。
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