2015 Fiscal Year Research-status Report
医学研究に参加する子どものインフォームド・アセントに関する研究
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25500012
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
石山 ゐづ美 常葉大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70541704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 然太朗 山梨大学, 総合研究部, 教授 (10210337)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | インフォームド・アセント / インフォームド・コンセント / フォーカスグループインタビュー / 尺度 / 子ども / 医学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、国際学会での研究発表2報、国内学会での研究発表1報、研究論文の執筆と掲載1報、リサーチコーディネーターを対象とするフォーカスグループインタビューの実施、および研究に同意する能力を測定するMacCAT-CRに関する情報収集を行った。具体的には以下の内容である。 (1)国際・国内学会での研究発表…平成27年6月のヨーロッパ人類遺伝学会で1報、平成27年10月のアメリカ人類遺伝学会で1報、平成27年4月の日本小児科学会学術集会において1報の研究発表を行った。子どもを対象とする研究に関する一般市民の意識調査データを、科学リテラシーなどをテーマに詳細に分析した結果などについて報告した。 (2)研究論文の執筆…本研究の成果である3報目の研究論文が、平成28年3月発行の常葉大学保育学部紀要第三号に掲載された。テーマは、医学研究に参加する子どものアセント可能年齢に関する一般市民の意識である。科学への関心とリテラシーが高い人は可能年齢を低く認識する傾向がみられた等の分析結果を報告した。 (3)フォーカスグループインタビュー…科学への関心とリテラシーが高く、加えて職務として子どものアセントに直接関与すると推測される、出生コホート研究リサーチコーディネーターを対象として、フォーカスグループインタビューを実施した。インフォームド・アセントに関する見解を聴取した結果の分析から、子どものアセント能力を一つの尺度で測定することは不可能と考えられ、個々の研究内容に応じた測定の方法を開発することが望ましいとの見解を得るに至った。 (4)MacCAT-CRに関する情報収集…個々の研究内容に応じた測定を原則とし、成人のインフォームド・コンセントのために開発された、研究に同意する能力を測定するMacCAT-CR(MacArthur Competence Assessment Tool for Clinical Research)を見出し、子どものインフォームド・アセントへの応用を企図して情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は当初、一般的な子どもの認知発達能力をアセント能力判断の基盤として、新版K式発達検査を参考とした尺度作成を企画していた。その方針のもとに、職務として子どものアセントに直接関与すると推測される出生コホート研究のリサーチコーディネーターを対象としたフォーカスグループインタビューを実施した。その結果、子どものアセント能力を一つの尺度で測定することは不可能と考えられ、個々の研究内容に応じた測定の方法を開発することが望ましいとの見解を得るに至った。 そこで、個々の研究内容に応じた測定を原則とする尺度の探索を開始し、成人のインフォームド・コンセントのために開発された、研究に同意する能力を測定するMacCAT-CRを見出した。 尺度開発の参考ツールが変化したため、計画通りの進度に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究内容に応じた測定を原則とするアセント能力測定尺度の開発を行う。参考とするツールを成人用に開発されたMacCAT-CRとし、子どものアセントに適する尺度作成のために応用する。また、国際的なガイドライン及び米国・日本の指針に示されているアセント可能年齢である7歳を中心として、前後の年齢のアセント能力を測定するための面談調査を実施する。検討と修正を行い、信頼性と妥当性のあるアセント能力測定尺度を開発することを目標とする。 研究推進方法を以下のように計画している。 (1)子どもが参加する医学研究の内容を設定し、5~8歳の子どもに理解できる説明文書および視聴覚資料を作成する。 (2)アセント能力測定のための会話用シナリオと記録用紙等を作成し、MacCAT-CRを応用した形式の測定尺度を作成する。 (3)自由意思で研究に参加する12組の親子(5~8歳の子どもとその保護者)を募集し、親子それぞれに面談調査を実施する。 (4)子どもおよび保護者への面談調査の結果により、尺度の検証と修正を行う。
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Causes of Carryover |
平成27年度の所要額を全て使用したと認識していたが、202円の差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
記録用文具などの物品に使用する計画である。
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