2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25501015
|
Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
土屋 薫 江戸川大学, 社会学部, 教授 (60227428)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 香織 江戸川大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50458676)
下嶋 聖 東京農業大学短期大学部, その他部局等, 助教 (60439883)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | オープンガーデン / 着地型観光 / まち歩き / 観光情報 / 余暇診断 / 余暇退屈度 / 地域特性 / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
自宅の庭を無償公開するオープンガーデンは、2000年には11団体で開催されるに過ぎなかったが、その後15年間で公開地点が110か所以上増加している。ただ、住宅地で開催されることも多く、主催者は訪問者の対応に苦慮してきた。質問紙による実態把握調査を行った結果、日本におけるオープンガーデンに関して、以下のメカニズムの働いていることがわかった。 まず第1に、主催者をサポートする条件整備の必要なこと。つまり、交流人口を創出する観光資源として無視できない反面、地域密着型の観光資源として成り立たせるためには、短期的なオーナーの疲弊感を軽減するだけでなく、庭を公開し続ける意欲を支援する必要のあることがわかった。第2に、日本におけるオープンガーデンは、その起源であるイギリスのように統括された組織と目的に沿って運営されていないこと。つまり、多様な運営主体による活動は、公開される庭の標準化を阻んでいるだけでなく、運営主体によりゴールが異なり、求められる情報提供もそのゴールによって異なることがわかった。第3に、訪問者の満足度は、オーナーとの情報交換によって規定されること、さらにオーナーと訪問者との間には庭に関する認識のギャップがあることが確認された。 本研究では、上記3点に沿って、網羅的に情報を掲載した地図ではなく、オーナーと訪問者の目的別に、レイヤー構造による地図を作成した。これを電子媒体では重畳表示として実現し、印刷媒体では目的別に必要な情報を透明シートに印刷して原地図と重ね見する形で実現した。 研究の独自性として、運営主体の特性判別に関して、余暇退屈度診断の簡略版が利用可能な点が明らかになったこと、また今後の課題として、オーナーと訪問者双方の満足度を高める上で、両者の庭の「見どころ」に関する認識のギャップを埋める必要のあることが明らかになったことが挙げられる。
|
Research Products
(5 results)