2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25501016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
樋口 淳 専修大学, 文学部, 教授 (70095983)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 沖縄 / 観光 / 食文化 / ファーマーズマーケット / 民俗遺産 / エコロジー / ブランド化戦略 / 地域の活性化 |
Research Abstract |
平成25年度は、「沖縄本島の食文化とその食材の生産と商品化、および流通について調査し、その過程と成果を、データベース化し、インターネットのホームページ、さらにはフェイスブックなどのソーシャル・ネットワーク・システムを活用して発信する」という課題のもとに、食材として野菜、塩、泡盛をとりあげ、その生産、商品化、流通について研究・調査した。野菜に関しては、生産現場である農園とファーマーズマーケットを中心とした流通過程の調査にとどまらず、新しい調理法をレシピとともに紹介した。塩に関しては名護市屋我地の調査に加え、沖縄以外の地でのその活用をレポートした。泡盛に関しては、特に蒸留酒の消費が活発な韓国に向けての情報発信に力を注いだだけでなく、韓国での現地調査を行い、沖縄と韓国の蒸留酒製造過程の違いを分かりやすく紹介することにつとめ、韓国人観光客の誘致を目指した。以上の成果はホームページ上に公開されている。このホームページは、日本語と韓国語の二つの言語からアクセス可能である。 (http://www.isc.senshu-u.ac.jp/~thb0309/OishiiOkinawa/indexOishiiOkinawa.html参照) さらに沖縄県宜野湾市において、2013年11月2日と2014年3月15日にシンポジウムを開催した。テーマは、第一回「沖縄民俗遺産とその活用」、第二回「沖縄の野菜・ファーマーズマーケット・おうちカフェの展開」である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホームページからの調査研究成果の発信、シンポジウムの開催等は、当初の目標どおり順調に推移している。ホームページに関しては、特にすぐれた研究協力者を得たために機能的でコンパクトな構成が構築できた。韓国語のホームページも、翻訳作業に時間がかかるために、日本語ページとの間にタイムラグが生じるが、徐々に解決されつつある。 ファーマーズマーケットと農園の調査レポートは、資料の作成が遅れていたが、2014年度の早い時期に公開可能である。泡盛調査は、伝統を維持する津嘉山酒造と技術革新に熱心な忠孝酒造という対極的な二つの酒蔵の協力が得られ、その成果はシンポジウムにも反映された。また韓国釜山の酒造所調査によって、黒麹による泡盛の醸造とは対照的な韓国の餅麹製造の現場を報告できたことは、韓国人観光客に分かりやすく泡盛を説明する上で有益であったと考える。 沖縄野菜を使用した新しいレシピの開発も、着手されたばかりだが、今後の蓄積によって成果をあげることができると考えている。 残された問題は、フェイスブックなどのSNSの活用である。ホームページという静的メディアを、動的なSNSに如何にリンクさせるかが課題として残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度は、2013年度の成果を踏まえて、沖縄本島の研究調査を充実させるとともに、宮古、石垣を中心とした本島以外でも研究調査を行い、さらにネットワークを広げる。また日本語と韓国語の発信に加えて中国語での情報発信を行い、中国語圏の観光客の誘致にも力を注ぎたい。 シンポジウムの開催に関しては、第3回を国の文化財指定を受けた津嘉山酒造の協力を得て、名護市博物館で行う予定である。名護市は津嘉山酒造の泡盛、屋我地の塩のほかに、沖縄在来種のアグー豚育成の中心地でもあるので、そのブランド化戦略についても研究調査を進める予定である。 野菜の流通とレシピの開発は、これまでの路線を継承するが、東京でもシンポジウムを開催し、沖縄の食材の「おいしさ」を実際に紹介し、インターネットでも配信する試みに着手したい。 調査研究に関しても、トピックスをしぼって、韓国のほか、中国・台湾でも調査を行い、沖縄の食材の特徴を分かりやすく東アジアの観光客向けに発信したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末のホームページ制作担当者交代により、コンテンツ作成費用(謝金)の支払いをスムーズに行うことができなかった。 2014年4月の新年度事業開始とともに、新年度担当者を決定し、すみやかにコンテンツを作成し、公表し、謝金を清算する。
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Research Products
(3 results)