2014 Fiscal Year Research-status Report
知的障害・発達障害のある人を対象としたホスピタリティー旅行に関する研究
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25501024
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
松本 和久 中部大学, 現代教育学部, 講師 (40635348)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ホスピタリティー旅行 / 知的障害 / 自閉症 / 発達障害 / 余暇支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界自閉症啓発デー(4月2日)と発達障害啓発週間(4月2日~8日)に合わせ,静岡県発達障害者支援センターの協力を得て,2014年4月5日、2014年世界自閉症啓発デー・発達障害啓発週間関連イベント「“ぼくらのA列車”に乗ろう!」を企画し,合同会社太陽ホスピタリティーの主催で実施した。 ①事前に参加者の特性を尋ね必要な配慮,②事前の下見と写真入りの行程表,③貸切車両を用意,④クールダウンエリアの設置,⑤選べるお弁当,⑥写真を示しながらの誘導,⑦東海道線の車内(一般客あり)での見守り,⑧ツアー中に見守り・付添い,という自閉症・発達障害のある人にとって有効と思われる工夫や配慮をし,参加者(本人または同伴者)14名に対して帰りの車内で質問紙調査を行い,工夫や配慮の有効性を検証したところ,全ての内容で「有効」「どちらとも言えない」を合わせた回答者数が85%を超えた。 今後,バスや鉄道など利用する交通機関にかかわらずこうしたツアーに参加する際にこれらの配慮や工夫が必要かを尋ねたところ「参加者の特性を尋ね,必要な配慮」「写真入り行程表の用意」は全員が「必要」と回答しており,見通しをもって安心してツアーに参加するための必須条件であると言える。 2014年12月7日には,知的障害のある人の余暇活動支援などに取り組む特定非営利活動法人「で・ら・しえん」の協力を得て,知的障害のある人の「当事者主体」を大切にした日帰りバス旅行「そば打ち体験に行こう!」を実施した。知的障害のある参加者23名,支援者19名の合計44名が参加した。参加者へのアンケートやインタビューの結果,仲間同士,また支援者との間のあたたかい人間関係を基盤として知的障害のある人への配慮や知的障害のある人自身が活躍できる場が今回の旅行の大きな特徴であり,知的障害・発達障害のある人の旅行支援の在り方を考える際の貴重な実践例となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
宿泊を伴う旅行がまだ実施できていない。平成27年度に実施し,支援内容や支援方法について検証する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,知的障害・発達障害のある人を対象とした宿泊を伴う旅行を実施する予定である。そして,これまでの日帰り旅行,宿泊を伴う旅行の実践により明らかになった有効な支援内容や支援方法についてまとめた「ホスピタリティー旅行の手引き(仮称)」を作成し,関係諸機関に配布する予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度中に宿泊を伴う旅行が実施できず,それにかかる費用の支出ができていないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
宿泊を伴う旅行を平成27年度に実施予定であり,その際に予算を執行する。
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