2015 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害・発達障害のある人を対象としたホスピタリティー旅行に関する研究
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25501024
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
松本 和久 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (40635348)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 知的障害・発達障害 / 旅行 / 配慮 / 安心 |
Outline of Annual Research Achievements |
任意団体ハッピー・クローバーが主催し,障害のある子どもとその家族を対象とした映画上映会を,これまでに4回実施した。実施した。参加する子どもも保護者も安心して映画を楽しめるように,以下のような工夫や配慮をした。 ①事前申込・座席指定:当日,満席で断ることのないように,事前申込制とした。苦手なことや配慮事項をあらかじめ尋ね,座席指定の参考にした。②照明や音量の調節:上映中真っ暗にならないように,照明を少し残した。また,音量を抑えめにした。③上映中の出入り:上映中,トイレやカームダウンのための出入りは自由とし,劇場入口に椅子を置いてそこで休むことができるようにした。この取組を通して,障害のある子どもの余暇支援における具体的な配慮事項の有効性が明らかになった。
静岡県自閉症協会静岡支部からの依頼を受け,2016年11月22日に本人7名,家族11名,ボランティア11名が参加し,大井川鐵道のSL急行乗車と日帰り温泉施設での昼食を組み込んだ日帰りツアーを実施した。知的障害・発達障害のある人が旅行する際の配慮として,以下のような「安心の担保」が必要になる。 ①安心を伝える:事前情報(顔合わせなど)や見通し情報(行程表など)を,言葉よりも実際の写真や実物を提示して伝える。②安心を確保する:あらかじめ個室や貸切車両の専用スペース,隅の一角などのスペースを確保する。③不安を取り除いておく:旅行申込の際に本人の特性や苦手なことを尋ね,あらかじめ座席などを配慮する。また,本人のペースを乱さなくても済むように,余裕ある行程にするとともに多目的トイレなど必要施設の有無を事前に確認しておく。④別行動への対応:本人とツアー本隊とが別行動できる人的体制(支援者など)をとることができるようにする。これらをまとめたリーフレット『知的障がい・発達障がいのある人が安心して旅行に出かけられるように』を作成した。
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Remarks |
リーフレット『知的障がい・発達障がいのある人が安心して旅行に出かけられるように』を作成した。
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