2014 Fiscal Year Research-status Report
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25502001
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
田代 晋久 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (50325487)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 環境磁界発電 / 磁束収束コア / 無線通信 / 非接触給電 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)磁束収束コアの試作:ダンベル形状の磁束収束コアに対する実効透磁率の推定式を提案した。実効透磁率の2乗が回収電力に比例するためこの値の推定は重要であるが,こうした形状の反磁界係数推定は理論的に提案されていなかった。試作した磁束収束コアによる実験結果,有限要素法の解析結果と合わせて,その妥当性を確認した。 (2) 環境磁界発電モジュールの開発:ヒトは磁界を知覚できないため,環境磁界を用いて発電し,その存在を音として知らせる磁界警報器を作成した。一辺が5 cm程度の持ち運び可能な立方体ケースに収まり,電池等の外部電源を必要とせず,環境磁界と定義したICNIRP2010ガイドライン値の半分程度の磁界を知覚できる装置の開発に成功した。(3) 無線通信システムの開発:前年度はArduinoと3Gシールドを用いた環境磁界モニタリング装置を製作したが,外部電源による動作であった。今年度は環境磁界によるArduinoの駆動に成功した。一方,0.4 W以上の電力が必要であることが判明し,クラウド経由で通信を行う3Gシールドとの組み合わせには数W程度の電力を賄うサイズの大きな環境磁界発電モジュールが必要だと結論付けた。また,今年度新たにIEEE802.15.4/ZigBee規格により通信を行う近距離通信用のTWE-Lite Dipを用いた環境磁界発電による無線通信システムの試作を行った。上述の磁界警報器と同程度のサイズで温度センサを備えた無線通信システムが実現できる可能性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ダンベル形状の磁束収束コアに対する実効透磁率の推定式,ならびに磁界警報器の設計・製作について国際学会にて発表を行った。実効透磁率の推定式は環境磁界発電だけでなく,フランスやチェコ等の高感度磁気センサ設計の分野の研究者から高い評価を受けた。磁界警報器については,本研究テーマの環境磁界発電を環境発電・非接触給電の両者の利点を持ちながら,磁界を用いる際に懸念させるヒトへの安全性を担保するもっとも有効な方法の一つだと評価を頂いた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果より,磁界警報機ならびに無線通信システムを含む環境磁界モニタリングシステムの開発を行う。また,環境磁界を含む複数の再生可能エネルギー源を電力・情報として利用するために不可欠なエネルギー変換装置についても先鞭を付け,研究の統括を行う。
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Causes of Carryover |
当初計画よりも安価に物品を購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の使用額はH27年度請求額とあわせ電子回路部品等にあてる。
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